住宅地の地価 下落幅の縮小傾向続く

国土交通省

統計データ|2016年09月29日

都心部へのアクセスしやすさが分かれ目か

国土交通省は20日、2016年地価調査結果を発表した。

15年7月以降の1年間で、住宅地の平均は下落しているものの、15年は△1.0%だったのが、今回は△0.8%。
下落幅の縮小傾向は継続している。

同省では、雇用情勢の改善や、住宅ローン減税などによる需要の下支えなどから、底堅く推移していると見ている。
平均変動率は東京圏が3年連続、名古屋圏では4年連続で小幅上昇となった。
大阪圏では15年に引き続き横ばいとなった。
地方圏では15年に△1.5%、16年は△1.2%と下落幅の縮小傾向が継続している。

一方、商業地に関しては、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)で対前年平均変動率が2.9%上昇。
地方圏では△1.1%だったが、15年の△1.6%よりも下落幅は縮小している。

商業地での地価上昇の背景にあるのは、インバウンド需要だ。
主要都市の中心部では店舗やホテルなどの需要が高まり、オフィスの空室率も低下傾向が続いている。
総じて堅調に推移しているようだ。


≪識者の声≫

第一生命経済研究所(東京都千代田区)経済調査部
星野卓也 副主任(27)

外国人観光客の増加を背景に、商業地の地価が上昇したことで、周辺の住宅地の地価の上昇にもつながっている。
ただし、マンションの販売契約数は伸びていない。
建設費も東京オリンピックに向けてさらに高くなると考えられるが、販売価格に上乗せもしづらい状況だ。
価格を調整する局面もあるのではないか。


日本不動産研究所(東京都港区)不動産エコノミスト
吉野薫研究員(38)

下落幅が縮小しているとはいえ、人口減少を見据えると今後加速的に地価が上昇することや、全国的な上昇は考えにくい。
傾向として、これまでの大都市と地方での格差ではなく、一つの都市でも人気のあるエリアとそうでないエリアとで、上昇率の差が顕著に出ている。
人気・不人気の差がつくポイントは、都心部へのアクセスの良さだ。駅や商業集積地への近接性などは、買い物や仕事といった生活の利便性に直結する。
こうした地域では、今後も地価上昇が見込めるだろう。

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