新法施行後の宿泊予約取り消し
6月15日の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行を目前に控え、大手民泊仲介サイトのAirbnb(エアービーアンドビー)が2日、サイト上の違法民泊物件を削除した。すでに支払いが完了している違法物件の宿泊予約の取り消しも進めている。Airbnbで宿泊施設を確保していた旅行者に不安と混乱が広がっている。
観光庁が1日に民泊仲介サイトを運営する住宅宿泊仲介業者に対し、違法物件の宿泊予約の取り消しや合法物件への予約変更を勧める通達を出したことがきっかけになっている。同社は14日に違法物件を非掲載にするとしていたが、観光庁からの通達を受け、前倒しでサイト上から違法物件を閲覧できないようにした。3月時点ではAirbnbには約6万2000物件が掲載されていた。同社広報担当では削除した件数や掲載を継続している件数について公表していないが、民泊調査会社によると掲載物件が8割減になったという。
同社は宿泊事業者に、自治体から交付された民泊の届出番号、旅館業法の営業許可番号、特区民泊の認定番号などをサイトに入力することを求めている。
7日には宿泊予約の取り消しについて公表。違法物件について6月15日~19日にチェックイン予定の宿泊予約をキャンセルしたことを明かした。支払いが完了している予約に対しては、満額を返金する。19日以降の違法物件の宿泊予約に関しては、チェックインの10日前になると自動的にキャンセルしていく。Airbnbを利用している宿泊予定者は、予約した物件が、合法ではなくキャンセルされないか、運営者に問い合わせをしているようだ。「1日で8組の予約者からキャンセルにならないか確認の連絡が来た」と話す宿泊事業者もいた。
民泊新法の届け出が済んでいる物件や、特区民泊、簡易宿所などすでに合法で営業している物件には、アクセスや予約問い合わせが集中しているようだ。