不動産テック事業を手掛けるPID(ピーアイディー:東京都港区)は5月に賃貸経営の管理ツール『Dicon(ダイコン)』を販売する。
世界的ビジネスコンテストで優勝
管理会社向けのツールで、3月には、ベンチャーキャピタル投資を行う世界企業Plug and Play(プラグアンドプレイ:アメリカ)が日本地区で開催したビジネスコンテスト『Winter/Spring 2021 Summit(ウィンター/スプリング2021サミット)』のIoT部門で優勝した。入居者やオーナーに対し「伝えたいことが伝わっているかを可視化する」ことを目的とし、使いやすさを最大の強みとしている。例えば、1戸に退去予定が発生した場合、入居者には退去の際に必要な手続きの通知、オーナーには退去が発生した旨の連絡、仲介店には募集開始の案内、クリーニング業者には清掃依頼などが必要になる。全員への連絡業務を、『Dicon』の操作のみで完了することができる。
複数の入居者へ同じ内容を通知したい場合は、『Dicon』に必要事項を入力し一斉にSMSで発信。該当する入居者を『Dicon』上のチャットに誘導できる。SMSが開封されたかどうかを一覧に表示するため、誰に伝わっていないのかがすぐに分かる。
また、16言語に対応した自動翻訳機能がある点も大きな特徴だ。入居者の中に外国人がいた場合『Dicon』を利用すると、SMS発信の時点で入居者が利用する言語に自動翻訳をして送信してくれる。チャットでは、どの入居者が何語を話すかなどの事前設定は必要ないため、例えばフランス語を話すカナダ人だったとしても、入居者が日常的に使う言語をAIが選択する。
導入時の設定に必要なのは、所有する各戸と、それにひも付く入居者とオーナーの情報だ。さらに、『Dicon』を通して連絡したい仲介担当者、工事会社などがいる場合も、連絡するリストに加えることもできる。
PIDの嶋田史郎社長は「将来的には、IoT家電の通知先を『Dicon』に設定することも可能にしたい」と話す。例えば部外者の侵入を伝えるIoTセンサーを使用している場合、『Dicon』上で状況が分かるようになる。費用は1カ月5478円(税込み)~。
PID
東京都港区
嶋田史郎社長(43)
(4月26日・5月3日8面に掲載)
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