仲介・管理会社ノート リフォーム編⑤

ケイアイコミュニティ, ネクストホーム, マイホーム情報不動産

企業|2021年07月06日

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 賃貸管理業務において避けては通れないのがリフォーム事業だ。退去時の原状回復工事をはじめとして、バリューアップ工事や設備交換、大規模修繕など多岐にわたる。施工も自社で行う場合と、外注依頼をする場合がある。管理会社3社に、各社のリフォーム事業の実情を聞いた。

ケイアイコミュニティ、競合物件との比較提案で効果

半数の家主からリフォーム請負

 管理戸数約7400戸のケイアイコミュニティ(岡山市)ではオーナーに近隣の競合物件の資料を見せることで、設備工事の受注に至っている。

 工事は外部委託が中心。2020年は原状回復工事を1188件受注した。退去の折に、和室の洋室への変更や、クロスやクッションフロアの張り替えといった工事も提案している。バリューアップ工事は年間100件弱だ。

 オーナーへの提案時には近隣で似た条件の競合物件の写真など、資料を持参する。競合物件は自社管理、他社管理関係なく情報を提供。なぜその物件が成約しているのかを説明し、物件の改善提案をすることで、約半分のオーナーからの受注に至る。リフォーム費用は1年ほどで回収できる金額が目安だ。

 岡山支店ビルメンテナンス課の伊丹健係長は「施工会社4社と協力関係を結んでいる。急な依頼にも対応可能な施工会社も他に2社付き合いがあり、工事対応へのスピード感が当社の長所。入居募集は退去した時点で開始し、平均2週間程度で入居が可能になるよう対応する。内容によってその工事が得意な施工会社に頼むなど、使い分けることもでき、臨機応変に対応できるのも強み」とコメントした。

 

ネクストホーム、自社施工で年間売上1億円

空室対策工事5割が受注

 2300戸を管理するネクストホーム(広島県東広島市)は、管理本部の社員が自社施工できるのが強みで、リフォーム事業の売り上げ割合は賃貸仲介と並びトップを占める。

 同社の原状回復工事は年間300~500件程度で、半数を自社で施工する。リフォーム・リノベーション工事は年間20件弱を自社内で対応する。

ネクストホームの会社データまとめ

 管理部に5人が所属し、うち4人が工事を受け持つ。水回り設備の交換や電気関係の施工などの専門性の高い施工を除いては基本、自社のスタッフが施工を行っている。

 リフォーム・リノベーションは、空室が3カ月以上続いた物件を対象に提案する。多くのオーナーは、最初は工事の見積額の高さに驚くものの、空室期間が続く方が損失であるため、約半数が受注に至る。

 提案の際には今まで自社で行った施工写真を見せ、アクセントクロスなど、はやりの施工について説明をしている。

 また、空室期間が長くなくとも、将来的に必要な設備は積極的に提案を行う。主にインターネットの無料サービスや宅配ボックス、温水洗浄便座などだ。宅配ボックスのように入居者がいても施工可能なものは入居中に設置することもあり、入居者から好評だという。

 同社では施工提案のために普段からオーナーとのコミュニケーションを重視している。末本亮一専務は「修繕終了の報告や、入居者からの要望への対応など、物件で何かあればその都度オーナーに報告することで信頼関係が築け、提案もスムーズに進められている」とコメントする。

 

 

マイホーム情報不動産、グループで連携し改修に対応

500戸以上のリノベ実現

 佐賀県全域で約6500戸を管理するマイホーム情報不動産(佐賀市)は、グループでリフォーム事業を展開するマイホームサポートセンター(同)と連携し、オーナーへのリノベーション提案を推進する。仲介店舗で把握した入居者ニーズの高い物件の傾向を基に、自社の設計士とデザイナーが企画しながら、これまで500戸以上でリノベーションを実現してきた。マイホームグループの吉永和仁会長は「コンセプトのあるリノベーションが強みだ」と語る。

マイホーム情報不動産の会社データまとめ

 マイホーム情報不動産の売上高は、5億8000万円。改修工事は、マイホームサポートセンターに業務委託して、退去後の原状回復工事や、リノベーションを行っている。

 年間の工事件数は、原状回復工事が800件、リフォーム・リノベーションが155件、大規模修繕が15件。リノベーション提案には2013年ごろから注力するようになった。

 退去後は、築年数の古い物件や、長期間の入居により原状回復費用が膨らみ、工事費用を少し上げたリフォームの方がより費用対効果が高いと判断した場合は、物件の価値を高めるリノベーションの予算を提示し、オーナーに検討してもらう。

 長期間空室だった物件が、リノベーション完成前に成約となり、家賃が3000~1万円アップした事例も少なくない。

 例えば、築30年以上が経過した和室は畳をフロアタイルに変更。アクセントで室内にある扉と壁の一面に、それぞれ異なる色を採用し、5色のカラーバリエーションが目を引く内装に仕上げた。また、照明器具、テレビモニター付きインターホン、独立洗面台、シューズボックスを新設するなど、日ごろの賃貸仲介で得た入居者ニーズの高い設備を導入。約2年間空室だった部屋は、家賃を1万円上げて成約となった。

 リノベーションした物件は、自社サイトに改修事例として掲載。改修のイメージがしやすくなることから、オーナー提案の際に活用している。また、19年には築30年以上の自動車展示場だった建物を自社で改修し、仲介店舗『マイホーム情報不動産』開成支店をオープン。同店舗では、自社施工の企画力をオーナーに発信している。

マイホーム情報不動産 吉永和仁会長の写真

マイホーム情報不動産
佐賀市
吉永和仁会長(43)

 

 

※本紙面において、管理会社とオーナーが工事契約を結ぶ場合は「元請け」、管理会社以外の工事会社とオーナーが工事契約を結ぶ場合は「あっせん」と記載しております。

(7月5日10面に掲載)

おすすめ記事▶『仲介・管理会社ノート リフォーム編④』

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