施工不備アパートが社会問題化するレオパレス21(以下、レオパレス:東京都中野区)が、同社の要改修案件においても入居募集を行うよう伝える通知を6月から一部のオーナーに送付。オーナーから戸惑いの声が上がっている。
オーナーからは戸惑いの声が上がる
施工不備の可能性がある要改修案件のうち、入居中などの理由で調査自体がされていない、もしくは改修が完了していない物件は14万戸以上に上る。
6月には、同社が建築し、要改修案件とされた1棟14戸のアパートを自主管理するオーナーの元に通知が届いた。その内容は、同社で行った燃焼実験の結果により、一定の耐火性能があるとし、入居募集が可能であると主張する文面だった。
オーナーは「調査自体がされておらず、どれほどの不備があるかも明らかになっていない状態で、部屋探しをする顧客にどのように説明すればいいのか」と話す。
このオーナーのアパートでは空室になった3戸は、レオパレスの調査が入り、改修も完了した。だが、入居中の他の11戸に関しては、未調査のままだ。「これまでは退去が出てから工事が完了するまでレオパレスが借り上げていたが、今後は借り上げないという。退去が出たらすぐに改修するよう本社に連絡するつもりだ」とオーナーは話した。
レオパレス側は「万が一施工不備を原因とした延焼被害が発生した場合には、法令にのっとり適切な対応を実施する」としている。だが「もし火事で入居者が亡くなったとしても、施工不備が原因かの裏を取りレオパレスの責任と断定するのは難しいだろう」と話す弁護士もおり、結局は、オーナー自身の責任の元に判断することになる。
(7月12日1面に掲載)
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