今回は不動産ファンドの代表ともいえる投資法人(以下、REIT)の仕組みとビジネスモデルについて、星野リゾートのREIT活用事例をもとに解説します。
所有リスクとコスト負担を回避
3つの選択肢
ラグジュアリーホテルの展開や老舗旅館の再生で知られる星野リゾートは、自らがスポンサーとなる星野リゾート・リート投資法人を2013年7月に上場させました。星野リゾートが自社(運営会社)ではなくREITを設立して上場させた狙いを明らかにするため、以下、①未上場、②運営会社を上場、③REITを上場、という3つのケースについて比較検討します。
①未上場
ホテルの運営会社には十分な資金がないため、旅館・ホテルの施設(物件)は、自らが所有するのではなく地主等(物件オーナー)から賃借することが一般的となります。この場合、運営会社には、