ITサービスを提供するココウリ(東京都港区)は不動産の売主と買主のマッチングサービス「COCOURI(ココウリ)」の運営に力を入れている。
売主と買主がサイト上で交渉
COCOURIは、不動産オーナーと不動産の購入希望者がサイト上で商談することができるサービスだ。
サイトの利用手順は以下のとおりだ。不動産の購入希望者は、売主が登録している物件情報を閲覧する。各物件には、売却希望価格、間取りや住所などの物件概要が掲載されている。買いたい物件を見つけたら、売主とオンラインで商談を進める。メッセージのやりとりはサイト上で行う。
同サービスは2021年7月に開始した。会員数は、23年4月6日時点で500人。
サービスを利用するには売主と買主のどちらも会員登録が必要。利用料は4月6日時点で無料だ。
石川洋子社長は「認知度を向上させるため、当面は無料とする予定」と話す。
4月には、サイトに新機能を追加した。不動産売買に必要な事業者を同サイト上で探すことができる「ココウリ売買サポート」だ。同社は不動産会社をはじめとする複数の事業者と提携。例えば、不動産会社は売買に関する重要事項説明書面や契約書類の作成などをサポートする。仲介手数料は非公開だが、売買の合意がされた後であるため、相場よりも安く設定している。
そのほか、物件の登記に関するサポートなどを行う司法書士や、不動産の税務処理に税理士、不動産の法律トラブルには弁護士、不動産の評価に鑑定士などをサイト上で紹介する。
石川社長自身が、過去に物件を購入した際、商談や手続きをもっとオンライン化できるのではと思ったことが、同サービスを開始したきっかけだ。
「仲介会社や専門家と協力し、不動産手続きのDX(デジタルトランスフォーメーション)化に貢献していきたいと考えた」(石川社長)
同社は24年中に、サービス登録者数1万人を目指す。
不動産投資の初心者でも売買を始めやすいよう、サイト内で不動産知識に関する記事も掲載する。
ココウリ
東京都港区
石川洋子社長(32)
(2023年4月24日3面に掲載)