戸建て住宅や賃貸住宅を建築する旭化成ホームズ(東京都千代田区)は、生涯顧客化に向けたサービスを拡充する。賃貸住宅「ヘーベルメゾン」のオーナーと戸建て住宅「ヘーベルハウス」の購入顧客向けの相談窓口「コンサルティングデスク」を4月1日に開設。5月8日からは「くらしの提案サービス」の提供を始めた。
生涯顧客化目指す
同デスクには、勤続25年以上で豊富な知識を持つ社員8~9人が在籍。同社が建築した物件に限らず、資産と健康に関連する相談も受け付け、グループ内外の専門家や事業者に取り次ぐ。
2022年4月1日から試験的にサービス提供を開始し、23年3月31日までに689件の相談を受け付けた。リフォームなど住まいの相談をはじめ、遊休地の活用や相続に関する相談が多いという。
建物定期点検の担当者らグループ全体の社員が顧客から相談事を聴取した場合、社内システムで同デスクに対応を依頼。これを受けて、同デスクから顧客へ連絡をしたケースが8割に上る。残りの2割は同デスクのホームページにある相談フォームからの問い合わせだった。
「くらしの提案サービス」は、担当者がヒアリングを行い、住まい・資産・健康の三つの切り口にまとめ、現状整理と今後についての提案を提案書の形で利用者に提供する。65~80歳台の顧客とその家族が対象で、利用料は無料。基本的に対面による面談のため、5月時点での展開エリアは東京都と神奈川県だ。今後、オンラインでの実施を検討しエリアを広げていく。
LONGLIFE戦略部企画室の大村篤史氏は「当社は建物だけでなく、顧客のロングライフの実現を宣言している。サービスのさらなる拡充を目指す」とした。
(2023年6月12日3面に掲載)