ベンチャー企業として一世を風靡(ふうび)したWE WORK(ウィー・ワーク)社が破産申請の手続きに入った。新型コロナウイルス禍で雇用市場が大きく減速し、資金調達ができずデフォルト(破綻)入りとなった。
米国内では年初から企業倒産件数が急増しており、アトランタ連邦銀行は2023年第4四半期のGDP(国内総生産)見通しを2.3%から1.2%に下方修正した。年末にかけて景気後退が加速し始めている。
米国企業収益悪化 保険更新拒否も
10年にシェアオフィス事業を創業した米国大手企業のWEWORK社は日本のソフトバンク(東京都港区)が1.5兆円の大型出資者として知られるが、連邦破産法11条適用に向け、デフォルトによる日本経済への影響も懸念される。
コロナ禍以降の急激な高金利で多くの企業が資金調達に苦慮しているが、これに加えて商業不動産、とりわけ大型の借り入れ返済期限を迎えるオフィスビルを所有・運営する投資グループも深刻な状況にある。