工程、品質管理を効率化
クラウド録画サービスを提供するセーフィー(東京都品川区)は、通信機器のLTEを搭載したクラウド録画型カメラ「Safie GO(セーフィーゴー)」シリーズの新製品「Safie GO 360」の提供を、1日から開始した。
製品本体に通信機能を持たせることで、インターネット環境がなくてもクラウド上に映像を保存可能であることが特徴だ。防水対応で、屋外への設置もできる。魚眼レンズにより360度全方位を俯瞰(ふかん)して撮影する機能もある。遠方とリアルタイムでの情報共有が可能で、過去に録画した映像は上下・左右のほか、拡大して細部の確認もできる。
建設現場では、工程の進捗(しんちょく)管理や工事品質の確認、作業員の動きの把握、建設資材の盗難防止などに効果を発揮。施主と工事現場の映像を共有することで、信頼感の醸成にもつなげることができる。
開発の背景には「働き方改革関連法」による時間外労働の上限規制が適用されたことがある。労働者と事業所が合意した場合や、災害からの復旧・復興の場合を除き、原則として時間外労働時間は月45時間以内、年360時間以内となる。労働時間が短くなることから、生産性の向上は急務だ。現場の労働災害も増加傾向にあるため、安全対策としても有効になり得る。
1月30日に開催したSafie GO 360の製品発表会では、開発に協力した清水建設(東京都中央区)、アイダ設計(さいたま市)の代表者が登壇し、期待を語った。清水建設建築総本部生産技術本部の大垣博主査は「屋内もしくは屋外の施工状況を1台のカメラで確認することができるため、生産性が向上することを期待している。防犯性も高まると考えている」と話した。アイダ設計建設本部の堀江久幸部長は「広範囲な画角によって、作業が安全かつ手順通りに行われているか、見届けることができる。顧客に現場の状況を見せる際にも活用していきたい」と感想を述べた。
(2024年2月26日11面に掲載)