集合住宅向けの商品開発推進
ケーブルテレビに関する機器の設計や運営などを行うシンクレイヤ(愛知県名古屋市)は、集合住宅向け商品を開発している。既存のケーブルテレビ事業者の販売網を生かし、新商品の販売を推進する。
同社は、直列ユニットの発明を機に1962年に設立。ケーブルテレビ業界向けに約400品目を開発・販売してきた。2024年12月期を1期目とする中期経営計画では、集合住宅向け商品の開発・販売を推進すると発表。
これを踏まえ、8月に販売開始したのが、インターネット通信機器「EC1000」だ。ホテルなど大型物件向けの通信機器を小型化した。主に10~15戸の世帯向けで、最大接続世帯数は63世帯。最大速度は下りで640Mbps、上りで120Mbpsだ。
大きな特徴は、大掛かりな導入工事が不要なこと。既設のケーブルテレビ共聴設備にEC1000を接続すれば、各戸のテレビ用同軸ケーブルがネット対応設備となる。LANケーブルの導入工事が不要なため、最短1日で工事が完了する。
同社は従来品も含め、これまでに3000棟以上の提供実績がある。ネットワークシステム推進部中部エリアサポート課専任課長の北村繁樹氏は、「200室以上のホテルに導入した際、各室の設定も含め、1週間で工事が完了した事例もある」と話す。
今後、全国で同商品を販売する。まずは既存顧客である全国のケーブルテレビ事業者を経由し、不動産オーナーや管理会社に訴求する計画だ。
「来期中のEC1000の販売目標は500台。特に集合住宅の多い都市部を中心に営業していく」(北村専任課長)
(2024年12月16日12面に掲載)