坪庭が主役の平屋1R 3年以上空き家を再生
2017年01月30日 | リノベーション
日本家屋の雰囲気が決め手
築60年以上の木造平屋『楓ハウス東新小岩』が、
坪庭鑑賞を楽しめる伝統的な日本の家屋に生まれ変わった。
3年以上住人がいない状態が解消された。
改修を手掛けたのは大関商品研究所(東京都港区)だ。
物件はもともと27.20㎡の和室2DKでトイレはくみ取り式だったが、
柱と屋根を残して基礎からすべて作り直し、間取りをワンルームに変更した。
間取りはワンルームだが、玄関と居室は木造の格子扉で隔てられている。
格子扉を開けると真っ先に目に飛び込んでくるのは
居室の中心に備え付けられたいろり風のちゃぶ台テーブルだ。
座布団を敷いて4人で囲むことができる。
また、掃出し窓の方向を見るとさきに目を引くのは坪庭だ。
幅1メートルほどのスペースが約150センチの高さの焦げ茶色の板の塀で囲われている。
中は石畳を敷き詰め一つの石灯籠、カエデの鉢植えで小さな空間を和風の庭園にした。
庭は居室と風呂場に囲まれているため、風呂場に設置された円形の窓から鑑賞することができる。
天井は高さを出し、梁(はり)がむき出しの状態にした。
梁と並行して松の木のデザインにくり抜かれた欄間が飾り、印象的な天井を演出している。
改修に投じた費用は約500万円だ。
賃料は9万9000円で、募集から1カ月で30代単身者の入居が決まった。
雨戸やすき間風などのマイナスポイントを差し引いても
全体に徹底されている日本家屋の雰囲気が決め手になった。