不動産市場動向を調査するアトラクターズ・ラボは、3月12日に「2009年10―12月期東京23区賃料改定状況調査」を公表した。
「賃料改定状況」とは同一物件における前回募集時賃料と現在募集賃料の差を比較したもの。2008年10―12月期から調査を開始し、4半期ごとの数値を集計している。今回の調査対象件数は3万6401戸。
集計によると、月額賃料が100万円を超える超高額帯において、下落幅が縮小し、2009年1―3月期並みとなった。さらに、賃料40万円未満の物件において、相変わらず下落幅は拡大しているものの前回調査時の下落幅との数値が接近した。
同社によると、高額賃料物件の価格動向は、全体的な賃料動向に先行するといい、今後各賃料帯においても賃料下落に歯止めがかかると予想している。
下落に歯止めがかかった要因として、リーマンショックから1年以上が経過し、今回調査対象となった空室物件が、前回募集時にすでに大幅な家賃値引きが行われているものが多く、賃料下限値に達していることが考えられるという。
賃料改定率の下落幅が縮小したのはリーマンショック以降初めてであり、賃料20万円未満の物件では11カ月ぶり、20万円以上の物件では19カ月ぶりとなった。
地域別でみると、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)の20万円以上の物件における賃料下落幅が―9・3%、その他18区では―6・1%、20万円以下の物件では都心5区―3・2%、その他18区―1・7%となっており都心部の賃料下落幅が依然大きくなっている。