【調査】部屋探しポータルの活用戦略~17社の予算と成果を聞く~(4/全6回)

ロコプランナー, クラッシー・ホームズ, 越後屋不動産

企業|2021年01月07日

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 部屋探しポータルサイトに集客を頼る賃貸仲介会社は多いが、個々の企業が費用対効果をどう感じているのか、その実態はよく分かっていない。ポータル活用は出稿・更新という作業負担ものしかかり、フル活用も簡単ではない。同じようで違う全17社の利用実態を紹介する4回目の本記事では、年間賃貸仲介件数800件のロコプランナー(千葉県柏市)、約700件のクラッシー・ホームズ(東京都千代田区)、越後屋不動産(岩手県一関市)の3社を取り上げる。

※ポータルサイト名の表記について、本特集では次のポータルサイト名を次のように表記します。『SUUMO』は『スーモ』、『LIFULL HOME'S』は『ホームズ』、『at home』は『アットホーム』といたします。

ロコプランナー、月120万円で反響600件

課題は写真の充実など

 千葉県柏市を中心に年間820件の賃貸仲介を手掛けるロコプランナー(千葉県柏市)では、賃貸仲介事業の年間売上高は約8000万円で、全体の9割を占める。千葉県柏市内で1店舗を運営している。

 國峯忠弘社長は「賃貸仲介をメインで事業を行っているので、ポータルサイトによる集客は重要だ」と話す。

 物件掲載のための予算としては月額120万円程度。國峯社長は、ポータルサイトの費用対効果は、コストに見合っていると感じているようだ。

 利用しているポータルサイトは『スーモ』と『ホームズ』の2つで、使用枠はそれぞれ『スーモ』には1500枠、『ホームズ』には1000枠ある。

 同社が扱っている賃貸物件は約1600~1700件あるが、掲載課金でもある『スーモ』に大半の物件を掲載。加えて、反響課金となる『ホームズ』には比較的賃料が手ごろな物件を掲載するようにすることもあるという。

 集客のメインとなっているポータルサイトだが、二つのサイトからの反響は月に500~600件。反響から来店に結びつくのは20%ほどだという。来店からの成約は70%。部屋探しユーザーが、ポータル情報で希望の物件を絞っていることがうかがえる。

 ポータルサイトへの出稿作業は営業担当が兼任して行う。現在、國峯社長を含めて社員は10人。扱う物件数に対して社員1人当たりの担当数が多くなる。ポータル掲載物件によっては、例えば内装の写真点数が足りないといった課題を抱えている。今後、解消策を練っていくという。

ロコプランナー 國峯忠弘社長の写真

ロコプランナー
千葉県柏市
國峯忠弘社長(42)

 

 

クラッシー・ホームズ、都内でスーモに一点集中

成約単価と成約数に満足

 都内の御茶ノ水エリアと浜松町エリアの2拠点で賃貸仲介店舗を運営するクラッシー・ホームズ(東京都千代田区)では、賃貸仲介と賃貸管理と不動産開発の三事業で経営が成り立っている。

 賃貸仲介部門単体の売り上げは年1億4000万円。従業員数17人のうち5人を仲介担当に充てており、年間の賃貸仲介件数は730件となっている。反響来店率は26%。来店成約率は61%。 クラッシー・ホームズの基本情報・賃貸仲介・ポータル情報まとめ

 賃貸仲介件数のうち約6割がポータルサイトからの流入。約7年前に、使うポータルサイトを一本化して以降、成約単価と成約本数が徐々に伸び、成果を上げている。使っているサイトは『スーモ』に絞っている。

 畠山孝弘社長は「出稿・更新などの作業効率を高めるため」と語る。複数のサイト利用は、物件更新作業が煩雑になり、一方自社サイトの育成はSEO対策に振り回されやすい。そこで、ブランディング戦略が上手いと感じていた『スーモ』に資金と労力を集中することにした。

 『スーモ』への広告出稿費は2店舗分で月平均140万円。反響数は月平均299件となっている。畠山社長は、費用対効果の高さを感じている。結果として成約単価と成約本数が徐々に上がってきているからだ。

 成約単価は1件当たり16万円強。家賃と管理費のみで構成している単価で、付帯売り上げやADは入れていない。千代田区と港区に立地する家賃9万~30万円の物件を扱っていることが高単価の理由となる。月平均の成約本数は44本だ。

 月の掲載枠数は2店舗で計650枠。そのうち9割を常時掲載している。残り1割は、成約しやすい新築案件が舞い込んできたときのために、あえて空けている。

 重宝しているオプションメニューは、動画機能だ。2012年から地道に撮りためてきた動画を掲載し、掲載物件のほぼ全てに動画をつけている。動画をつけることで「物件ページに動画のアイコンもつき、そうでない物件と比べて閲覧者の目を引きやすくなる」(畠山社長)とメリットを感じているようだ。

 ポータルサイトへの出稿作業は分業している。本社マーケティング部の7人(うち社員2人)が担当している。接客に当たる営業社員は5人だという。

クラッシー・ホームズ 畠山孝弘社長の写真

クラッシー・ホームズ
東京都千代田区
畠山孝弘社長(42)

 

 

越後屋不動産、分業し月650枠をフル活用

 越後屋不動産(岩手県一関市)では、売上高(非開示)のうち賃貸仲介業が構成比率で50%と最多を占めている。従業員13人のうち4人が仲介担当で、岩手県一関市内の1店舗を運営している。年間の賃貸仲介件数は721件だ。

 賃貸仲介業では、仕入れ物件の半分から6割に相当する400件分の仲介物件情報を、『スーモ』と『アットホーム』の2つに掲載している。

越後不動産の基本情報・賃貸仲介・ポータル情報まとめ

 同社は『アパマンショップ』のフランチャイズ(FC)であるため、掲載データを『AOS(アパマンショップ・オペレーション・システム)』で作成、掲載。そこからサービス連携する『スーモ』に250件、『アットホーム』に400件の枠を持つ。

 約1500件の管理物件など入居者を集めたい物件を優先して順に『スーモ』『アットホーム』へと同社の来店者の反響の多いサイトに掲載するようにしている。

 ポータルへの掲載費用は月間約20万円から、繁忙期などで30万円くらいまでにしている。年間の反響数は860件程度。ポータルサイトを含め、メールや電話での反響からの来店率は3~4割。そこからの成約率は8割前後になるという。

 月の掲載可能枠数は650枠で、基本的に枠は使い切っている。『アパマン』は反響課金であるため、成約状況を見ながら、掲載課金制の『スーモ』や『アットホーム』への掲載件数を調整している。

 賃貸仲介の営業担当者は3人いるが、ポータルへの出稿は1人が担当する。「例えば3人がそれぞれ担当物件として分担するより、反響を集めるための写真やコメントのチェックを一つの基準で行うことができる」と担当者は話す。同社の営業エリアである一関市近郊も近年は大手の進出が目立ってきたという。「掲載費用に限りがある分、同じ物件でも写真点数やコメントなど、いかにポイントを稼ぐかが大事」としている。

(1月4日13面に掲載)

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