全国賃貸住宅新聞の特別企画である「賃貸住宅に強い建設会社 年間完工数ランキング2023」を発表。2022年度の賃貸住宅の完工戸数順に、大手ハウスメーカーのほか、全国7エリアに分け、八つのランキングで紹介する。記事中では、有力企業が業績を伸ばした理由や特徴に迫る。
ハウスメーカーのランキングは、前回回答した7社中4社が戸数を増やした。
3年連続で大東建託(東京都港区)がトップを走る。2位の大和ハウス工業(大阪市)は大東建託より約9000戸少なかったものの、完工高でほぼ並んだ。3位の積水ハウス(同)も2万6085戸に伸ばした。
受注経路を追加
1位の大東建託は、完工戸数4万1238戸と前回比2178戸増加した。完工高は4806憶900万円で、同5.7%増加。同社広報部は完工数伸長の理由について「新型コロナウイルスによる行動制限が緩和され、受注活動が進められるようになったことから21〜22年度の受注高が増加した」とコメントした。
受注活動は、飛び込み営業以外の営業チャネルの確立を目的に「デジタル営業推進部」「法人専門の営業部」「金融機関などの開拓を担う営業部」といった三つの営業部を21年度に新設。併せて、メールマガジンの配信などのインサイドセールスを促進し、営業効率の向上を図る。
今後は、環境・防災・ライフスタイルの三つのコンセプトを軸にした賃貸住宅商品の開発を推進していく。
展示場担当が兼任
今回初めてランキングに参加したミサワホーム(東京都新宿区)は、ハウスメーカーで8位につけた。完工数は2662戸。20年度に2546戸、21年度に2581戸とじわじわと完工戸数を伸ばしてきた。営業企画部資産活用企画課の高橋元樹課長は「賃貸住宅の建設はコロナ禍でも堅調に推移した」と話す。
その理由は営業体制の強化だ。住宅展示場への来場者がコロナ禍前比で大幅に減少した。これを受けて、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)で60現場ほどある展示場勤務の営業担当者も、並行して賃貸住宅の建築受注営業を行うようにしたという。
賃貸住宅商品の「Belle Lead SkipHigh(ベルリードスキップハイ)」が好調で、18年9月の発売以降、受注ベースで累計700棟を販売している。「蔵のある賃貸」として、スキップフロアを活用し、アパートの1階部分に広い収納を設ける商品だ。一般的に入居が決まりづらい1階部分の付加価値とし、賃料を下げずに入居が決まるようにしている。
今後は地方都市での営業も強化していくとした。
(2023年6月26日4面に掲載)