家賃高騰が続くいま、不動産会社が考えるべきこと【賃貸住宅フェア2025 開催レポート】

アットホームラボ

管理・仲介業|2026年01月23日

当記事は賃貸住宅フェア2025in東京で講演したセミナーを書き起こしたものです。

アットホームラボ 磐前 淳子執行役員の写真

アットホームラボ
磐前 淳子執行役員

 

 

データで見る入居者ニーズ

進む都心回帰 家賃、上昇傾向

 ご存じの通り、いま不動産にかかるコストは賃貸、売買にかかわらず上昇しているが、その度合いがさらに高まっていると感じる。

 2020年ごろの景況感調査によると、新型コロナウイルス禍の影響で、業況は賃貸・売買を問わず、調査開始以来最低となった。

 その後、コロナが5類に移行した23年ごろから、いわゆる都心回帰が進み、賃貸の業況は改善している。直近でもコロナ前の水準以上を維持しており、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の不動産事業者からは「当初の予算より高くなっても成約する人が増えた」との声があった。

 募集家賃はマンション、アパートを問わず全国的に上昇しており、特に1都3県ではその傾向が強い。

 こういったデータやアンケートの結果を踏まえ、消費者ニーズと空室対策について考えたい。

会場の様子

会場には、178人の聴講者が集った

新社会人が重視 生活利便性と安全

 まず、現在需要が急激に高まっている単身者向け賃貸において、特に新社会人が住まい探しで重視している条件や設備について紹介する。

 この層が重視した条件は、「通勤通学に便利なこと」「治安が良い」「最寄り駅から近い」「間取りや広さ」などが上位となった。立地など生活のしやすさに直結したニーズは、景気やトレンドが変化しても価値が下がりにくい。

 一方で、妥協点に目を向けると、「眺望」「方角」「外観のデザイン」が挙がっており、建物そのもののスペックについては妥協されやすいことがわかる。このことから、どんな物件に住むかより、日々の便利さや安心して暮らせることが重視されると読み取れる。築年数がある程度経過していても、立地や生活動線、安全性などの基本条件を満たしていれば十分な強みになるはずだ。

 続いて、重視した設備は「独立したバス・トイレ」「独立した洗面台」「モニター付きインターホン」「オートロック」といった、日常生活の快適性や防犯性に直結するポイントが挙がった。一方で、妥協点は「追いだき機能付きバス」「ロフト」「ウオークインクローゼット」などのプラスアルファの設備。あれば便利だが、必須ではないと受け止められているようだ。

 近年は、毎日風呂に入らない「風呂キャンセル界隈」や自宅でご飯をつくらない「自炊キャンセル界隈」といった話がSNSで話題になっており、ライフスタイルに応じて設備の優先順位が変わる時代になっている。設備が充実しているから入居者が決まるのではなく、どういった人に住んでもらいたいかを明確にして、そのニーズに合った設備を選ぶことが競争に勝つ物件の条件になっていくのかもしれない。

住人属性を確認 トラブルに警戒

 もう一つ知ってもらいたいこととして、入居検討中の希望者から賃貸物件の管理状況についてよく聞かれる質問がある。圧倒的に多かったのが「ほかの入居者の情報」で、どのような属性の人が住んでいるか、マナーは守られているのか、という点だった。次いで「共有スペースの管理状況」。これらは非常に納得できる結果で、コロナ禍のピークは過ぎたが、それでも在宅時間は以前よりも増えた。その結果、入居者同士で騒音やごみ出しのマナーに関するトラブルが増えている。ささいなことでも問題になり得るということで、住人の属性などを気にする人が多いようだ。

 こういった不満が募ると、退去による稼働率の低下、ひいては物件の価値低下につながってしまう。新たな入居者を確保するだけでなく、入居中の住人が心地よく住めているか、管理状況の確認なども重要なポイントだ。いま一度、客観的に物件の状態をチェックしてみてほしいと思う。

 いま住まいを探している消費者は、賃料や価格を比較しつつ、自身のライフスタイルと照らし合わせ、これまで以上に厳しく検討している人が多い。不動産事業者は、消費者に無理のない選択肢を一緒に探していける関係づくりをしてもらいたいと願っている。

(2026年1月19日18面に掲載)

おすすめ記事▶『担当1人で未収金を激減! ストレスが生まれない簡単督促術【賃貸住宅フェア2025 開催レポート】』

検索

アクセスランキング

  1. 見守り、契約前年比9倍も

    中部電力ミライズコネクト,ヤマト運輸,ホームネット

  2. スルガ、解決金121億円支払いへ

    スルガ銀行

  3. 令和8年度税制改正大綱 賃貸不動産、相続税強化へ

  4. つばめ不動産、キャンパー向け賃貸 企画

    つばめ不動産

  5. Weekly&Monthly、短期賃貸の保証サービス開始

    Weekly&Monthly(ウイークリーアンドマンスリー),ナップ賃貸保証

電子版のコンテンツ

全国賃貸住宅新聞からのお知らせ

お知らせ一覧

サービス

発行物&メディア

  • 賃貸不動産業界の専門紙&ニュースポータル

  • 不動産所有者の経営に役立つ月刊専門誌

  • 家主と賃貸不動産業界のためのセミナー&展示会

  • 賃貸経営に役立つ商材紹介とライブインタビュー

  • 賃貸管理会社が家主に配る、コミュニケーション月刊紙

  • 賃貸不動産市場を数字で読み解く、データ&解説集

  • RSS
  • twitter

ページトッップ