賃貸住宅向けの大規模修繕費用の準備を請け負う、全国賃貸住宅修繕共済協同組合(以下、共済組合:東京都千代田区)は「賃貸住宅修繕共済」の申し込みを受け付ける代理店数が2023年12月8日時点で374社に達したことが全国賃貸住宅新聞の取材で明らかになった。
全共用部に対象箇所を拡大
賃貸住宅修繕共済は、賃貸住宅の大規模修繕工事に備えられる共済だ。オーナーは、将来訪れる大規模修繕工事の費用を共済の掛け金として準備できる。掛け金は、支払った年の経費として計上が可能。大規模修繕の目的以外での費用の利用ができないため、計画的に修繕費用に備えられる。
オーナーは、同共済に加盟し代理店となっている管理会社経由で契約を行う。代理店は、対象物件の定期検査を1年ごとに実施。定期検査で修繕すべき箇所が発見された場合は、オーナーが代理店経由で共済組合に共済金を請求する。共済組合から工事会社に直接共済金が支払われる仕組み。
累計契約数は、同共済の提供を開始した23年5月時点の累計契約数と比較し、約2.4倍となっている。
同共済の提供開始当初は、外壁と屋根の工事のみが対象だったが、10月より建物の全共用部に対象箇所を拡大した。共済組合の高橋誠一代表理事は「分譲マンションは、以前から管理組合名義で将来の修繕に使用する資金の準備を行うことができた。本共済制度は、将来の大規模修繕に向け、経費に計上しながら賃貸住宅のオーナーが備えられるようにした仕組み。多くのオーナーに使用してもらいたい」と話した。
全国賃貸住宅修繕共済協同組合
東京都千代田区
高橋誠一代表理事(78)
(2024年1月1日15面に掲載)