孤独死や無断退去の発生時の残置物処理と賃貸借契約解除に関する「スムービングサービス」を提供するリーガルスムーズ(東京都中央区)は、9月1日に遺品整理や特殊清掃などを請け負う「エンディングサービス」を開始した。
遺族の意向を基に対応
スムービングサービスにおける残置物撤去や特殊清掃などのノウハウを基に、持ち家も含めた世帯向けとして開発した商品だ。単身で住む身内が亡くなった際などに、遺族らから依頼を受けて遺品整理や不用品の処分を行う。遺言がある場合は、その内容に沿って対応。要望に応じて特殊清掃やハウスクリーニング、リフォーム、不動産の買い取り相談などを請け負う。対応エリアは全国となる。
8月にオーナーから同社に問い合わせがあり、エンディングサービスを先行で活用した事例では、遺族の合意を得たうえで対応を行った。対象物件は東京23区内にある木造2階建て・築35年の自主管理物件で、70代の男性が孤独死していた。隣室からの異臭クレームで発見され、特殊清掃を行う必要があった。特殊な液剤や装置を使い、染み付いた体液や臭いを除去。そのうえで、残置物の撤去を行い、遺品を遺族に送る形を取った。
川上明社長は「エンディングサービスを通じて、入居者やオーナー、不動産会社のみならず、持ち家世帯にも当社のサービスを届けていきたい。自筆証書遺言を電子上で作成し、保管する『デジタル遺言制度』の創設を見据え、サービスのさらなる拡充を図っていく予定だ」と語る。
(2023年11月6日9面に掲載)