KDサービス 吉田正弘社長 設備販売と施工、ネットで完結
【企業研究vol.232】KDサービス,交換できるくん,GA technologies(ジーエーテクノロジーズ),RENOSY ASSET MANAGEMENT(リノシーアセットマネジメント),Rsmile(アールスマイル)
インタビュー|2023年12月27日
入居者の生活利便性を左右する住宅設備。設備の不具合による家賃減額リスクが明文化された改正民法の施行も受けて、対応における体制整備が重視される一方、管理会社の業務負荷は大きい。KDサービス(東京都渋谷区)は、ITを活用した住設機器の受注・施工スキームを確立し、管理サービスの品質向上を支援する。
130人の多能工職人 広域で品質統一
―御社の事業内容および事業領域について教えてください。
給湯器や水栓、ガスコンロなどの住宅設備に不具合が発生した際に、製品や部品を交換し、復旧するまでの一連のサービスを提供しています。親会社である交換できるくん(同)では、一般顧客向けに住宅設備の電子商取引(EC)サイトを運営し、機器の販売や見積もり、工期調整や施工実務を展開してきました。当社は、事業領域を賃貸住宅へと拡大することを目的に設立し、賃貸住宅における設備トラブルに対応しています。
―事業コンセプトとして「非効率だった住宅設備のリフォームをスムーズに提供する」ことを掲げていますが、具体的にはそれをどのように実現しているのでしょうか。
母体となる交換できるくんで、2001年から設備機器と交換工事のセット販売を行ってきました。最大の特徴がインターネット上で見積もりができる点です。設備の不良箇所を写真データとして蓄積し、不具合の種類や対応方法ごとに分類することで、現地調査を省略してスピーディーかつ精度の高い見積もりを可能にしました。施工においては当社社員および契約スタッフの約130人体制で責任を持って対応しています。
―年間の対応件数は。
一般顧客も含めて約4万2000件です。国内主要メーカーの最新商品を取り扱っていますが、これだけの件数に対応できるようになると規模の経済が働き、より低価格でのサービス提供が可能になります。価格優位性による対応件数が増えることで施工事例や利用者の評価も蓄積し、さらなるサービス品質の向上へとつなげやすくなります。これが事業の成長サイクルです。当社ではこれまで培ったノウハウを賃貸住宅市場に向けて提供するにあたり、設立から2年間で、オンラインでの見積もりから施工までのフルフィルメント業務にしっかり対応できる体制を整えてきました。
―管理会社に向けてサービスを提案していく中で、ポイントをどこに置いていますか。