電力小売事業のイーネットワークシステムズ(以下、ENS:東京都新宿区)が展開するエネルギーデータに関するサービス「ESG評価向上支援サービス」は、2023年12月に賃貸物件で初めての導入が決まった。
環境配慮型物件を後押し
同サービスは、東京電力グループのファミリーネット・ジャパン(以下、FNJ:東京都港区)と共同で提供するもの。ENSの実質再生可能エネルギー(以下、実質再エネ)100%の電力提供と、FNJによる賃貸集合住宅のエネルギーデータの計測を併せ持ったサービスだ。
ENSは共用部やENSと契約する住戸に対して、実質再エネ100%の電力を供給する。FNJのホームエネルギーマネジメントシステム「me‐eco(ミエコ)」を物件に設置し、同社が提供する全戸一括型インターネットを介して、建物のエネルギー状況を計測・収集。集めたデータは、ENSの実質再エネ100%の電力供給量のデータも含め、レポートにして、オーナーや管理会社に提出する。
今回の導入物件は、トーセイ(東京都港区)の完全子会社であるトーセイ・アセット・アドバイザーズ(同)が管理・運営する全108戸の「T's garden(ティーズガーデン)稲城」だ。省エネルギー改修を施し、建物全体の温室効果ガス排出量の大幅削減を目指すファンドを組成して、23年3月に取得した物件となる。ESG評価向上支援サービスを利用し、建物全体の再生可能エネルギーの使用量を把握することに加え、契約時に入居者へ実質再エネ100%の電力利用を促進する。
ENSの及川浩社長は「今回の実績を皮切りに導入をさらに広め、太陽光発電などの付加価値サービスも組み合わせて提供していきたい」と語る。
イーネットワークシステムズ
東京都新宿区
及川浩社長(53)
(2024年1月15日8面に掲載)