JトラストグループのJグランド(東京都渋谷区)は、収益不動産の販売や売買仲介で急速に売り上げを伸ばす。組織再編に伴い、2022年12月に社名を日本ファンディングから変更。都心部を中心に富裕層向けの賃貸マンション開発を強化し、さらなる成長を目指す。藤原治社長に、同社の強みや今後の事業戦略について聞いた。
年商1年で10.7倍 富裕層向けに物件企画
―この1年で大きく業績を伸ばされています。
当社は、金融事業を行うJトラストグループの中で収益不動産開発事業を担っています。22年12月期の売上高は29億3200万円、営業利益は9800万円でした。前期は売り上げが2億7300万円、営業利益は4900万円の赤字だったので、売り上げは10.7倍に伸び、事業も収益化できています。22年12月期の実績では、31件を仕入れ、23件を販売しました。
―商品ラインアップがいくつかあるようですね。
三つあります。一つ目が自社企画・開発の賃貸マンション「J‐ARC(アーク)」シリーズです。第1号の土地の仕入れを22年3月に行い、それからの1年半ですでに11件を販売しました。駅から徒歩5〜10分の資産性の高い土地を仕入れ、自社企画し、建築した後投資家に販売しています。1棟あたり15〜20戸の規模で、販売価格は2億〜10億円。表面利回りは3.5%以上で提供してきました。需要の高い東京都の都心部を中心に開発をしています。大阪府でも第1弾を、23年9月に完成したところです。
―以前からアパートも開発されていました。
二つ目として、IoT機器を搭載し付加価値付けした新築アパートも展開しています。24年から「J‐Maison(メゾン)」のブランド名で統一しています。こちらは東京都、大阪府、愛知県名古屋市といった三大都市圏の、駅から徒歩10分以内のエリアとし、1棟12戸規模で価格は1億〜2億円です。これまでの表面利回りは6%程度。三つ目は中古アパートを当社で取得し、外部によるホームインスペクションとリフォームをした後に販売する商品の「VintageResidence(ヴィンテージレジデンス)」です。こちらは表面利回り6〜7%を目安として、1億〜2億円台で販売します。
―提供物件に幅があるので、顧客の属性も変わってくるのでは。
J‐ARCのターゲットは、ある程度投資経験と金融資産を持つ富裕層を想定しています。J‐Maisonは、年収2000万円前後くらいで、役職のあるサラリーマンです。
―どうやって集客をしているのですか。