活用方法決定を支援
空き家の流通・活用支援事業を行う空き家活用(東京都港区)は、所有者から空き家に関する相談を受け、適切な活用方法を提案して事業者につなぐマッチング事業を手がける。
紹介に至ると事業者からマッチング手数料を受け取る仕組み。手数料率は不動産仲介、リフォーム、その他サービスなど、事業により異なる。24年4月18日時点で相談窓口である「アキカツカウンター」には月50件ほどの問い合わせがある。特措法改正やメディア露出による会社の知名度向上の影響で、23年比約3倍になっているという。
マッチング件数は月10件ほどだ。相談受け付けからマッチングに至るまでの期間は案件により幅がある。1カ月でマッチングする案件もあれば、2年以上かかる案件もある。
事業のもう一つの柱が、自治体の空き家対策支援だ。アキカツカウンターと、タブレット端末を利用して空き家を調査できるツール「アキカツ調査CLOUD(クラウド)」を提供する。両方を利用する場合の料金は年間で330万円(税込み)。4月18日時点で20自治体が利用する。空き家の売買ポータルサイト「アキカツナビ」への空き家掲載を合わせると、55自治体と取引している。
売上高は非公開。24年2月期の売上高に占める比率はマッチング事業が3割、自治体の空き家対策支援が7割だ。空き家問題の解決のためには税金に頼らず自走できる体制をつくるべきとの考えから、比率を徐々に逆転させていくことを目指す。
和田貴充社長は「空き家は流通だけを行うと利益を出すのが難しい。当社が所有者の相談に乗って活用方法を決めるところまでを請け負い、売買や修繕、賃貸といった部分を各事業者が行うことで、利益を出しながら活用する。空き家の課題をわれわれの世代で解決したい」と語る。
空き家活用
東京都港区
和田貴充社長(47)
(2024年5月20日13面に掲載)