アットホーム(東京都大田区)がDX(デジタルトランスフォーメーション)による不動産業務の改善支援や経営課題解決の事例をレポート。第3回は、クリーク(神奈川県横浜市)代表取締役の塩田真人氏に話を聞きました。
DXツール導入で事務作業を効率化
相続税対策として不動産事業を始めたクリークの塩田氏。2017年からは自社保有以外の物件管理業務を開始し、20年からはプロパティマネジメント(PM)業務をスタートさせました。
「オーナーや入居者のためのサービスを厚くするために、PM業務開始当初からDXツールの導入・活用を視野に入れ、煩雑な事務作業の軽減・効率化に取り組んでいます」(塩田氏)
そこで、賃貸管理システムや物件確認の自動応答システム、オンライン申し込みツールなどを導入。PM業務開始時から事務作業の効率化を実現し、従業員4人のみでPM業務を遂行しています。
「当社が目指すのは、『労働生産性を追求する、不動産を軸とした資産管理会社への転換』で、二つの取り組みが重要と考えています。まずは、当社が得意とする物件プロデュース力でお客さまのニーズに対応した収益率の高い高額家賃帯の物件を提案すること。高額家賃帯の物件の方が入居者からのクレームが少ないと実感しており、オーナーや入居者の満足度向上につながると考えています。次に、徹底した事務作業の効率化です。DX導入と同時に、社員の生産性や負担軽減を考慮してクレーム対応業務の外注化も行いました」(塩田氏)
クレーム対応など精神的負担の大きい業務を外注することで、従業員のストレスを軽減し、従業員満足度の向上も目指しているといいます。
従業員自ら行動 前向きにDX推進
DXツール導入と外注化により、従業員満足度も高めたクリーク。23年6月には、従業員の宮川麻紀氏が座長となり、DX推進プロジェクトを発足することになりました。従業員自らが前向きに生産性向上に取り組んでいます。
「DXやITの展示会などに出向いて情報を得て、現在は全部署での活用を前提に、定型業務を自動化するRPA(ロボティックプロセスオートメーション)ツールの導入を検討しています」(宮川氏)
なお、現時点では、週休2日で6時間労働、残業なしで収益が上がっているといいます。
「当面の目標は、管理戸数が倍になっても、現在の人員で残業なしで続けることです。そのために今後もDXツールを積極的に検討・導入していきます」(塩田氏)
極限まで事務作業を効率化し、収益不動産の価値創造に注力するクリークの事例は、大いに参考になりそうです。
アットホーム
執行役員
基幹サービス開発部門副部門長
原 雅史
1995年アットホーム㈱に入社後、営業・システム開発・サービス企画などの業務に従事。2012年より「不動産情報サイトアットホーム」のリニューアルを担当、16年よりアットホーム加盟店の業務効率化と生産性の向上、成約機会の拡大を図るサービスの開発を統括。21年10月より執行役員に就任。
(2024年6月10日14面に掲載)





