電子契約でトップシェア目指す

キマルーム

インタビュー|2024年07月01日

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キマルーム 広島市 藤井志郎社長(38)

「組織で勝つ」会社づくり推進

 電子契約サービスを提供するキマルーム(広島市)のトップに、7月1日付で藤井志郎氏が就任した。電子申し込み・契約「キマルーム Sign(サイン)」を軸に、賃貸業界での電子契約トップシェア獲得に向け、組織強化を行っていく。

7月に創業者からバトン受け取る

 創業者である西野量氏からバトンを渡された藤井社長は「キマルーム Signを賃貸業界における共通プラットフォームとして普及を進め、トップシェアを目指す」と語る。

 キマルームは2010年に西野氏がセイルボートの社名で創業した。11年に業者間流通システムの「キマRoom(ルーム)!」を開発、17年には、キマルーム Signの前身である入居申し込みの電子化サービスの提供を開始。その後、電子契約の機能も実装した。

 23年2月に大東建託パートナーズ(東京都港区)の子会社となり、24年4月に社名をキマルームに変更。7月には、大東建託パートナーズとの共同リニューアルを行ったキマルーム Signを稼働させ、業界のデジタル化を後押しする。

 キマルーム Signの拡大、会社のさらなる成長を託されたのが藤井社長だ。西野氏は取締役・ファウンダーとして、25年4月の来期スタートまで、藤井社長への顧客引き継ぎや各取締役への業務移管、サポート役を担う。第二創業期の本格的なスタートに向け、スムーズな事業継承を行っていく。

大手で経営戦略を担当

 藤井社長は、大手メーカーなどでの戦略立案、事業立ち上げの経験を生かし、会社の組織力を高め、個に頼らない会社づくりを進めていく。

 藤井社長は1985年10月3日、山口県下松市生まれ。同志社大学社会学部メディア学科を卒業後、2009年4月にリクルートに入社。人材採用サービスやアルバイト情報誌の営業を行った。11年に日本たばこ産業に転職し、市場調査やブランド企画、経営戦略の立案などに関わった。コンサルティングファームで1年働いたのち、16年にソニーに入社。現在ソニーグループの社長を務める十時裕樹氏が当時統括していた部署Corporate Strategy Office(コーポレートストラテジーオフィス)に在籍。国内外の戦略立案やモバイル事業の構造改革、事業管理などを担当した。19年にはソニーに戻り、財務を担当。その後、知人の会社の立ち上げに参画した。

 「大手でのキャリアが長かったが、35歳までには自分の裁量権を持つことができるベンチャーで働くと決めていた」と話す藤井社長は20年6月にセイルボートに入社した。

 「私自身、引っ越しをする機会が多かった。エンドユーザーの目線で見たときに、なぜこんなに紙の書類が残っているのかと疑問だった。西野との初めての面談で、業界の面白さや難しさについて聞いた。DX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいない中、業界課題をサービスで解決できる余地の大きさに可能性を感じた」と藤井社長は入社の経緯を語る。

「導入企業のDX化にも寄与したい」

 トップとして、組織で勝つ会社づくりを行っていく。同社は設立13年で従業員は84人にまで増えた。

 会社の規模が大きくなる中、スタッフの「個人商店化」が課題となっている。藤井社長が培ってきた経験を生かした効率的な組織運営体制を構築するとともに、個人の力に頼らない会社にしていきたいとする。

 「創業者の西野のナレッジを含め、社内に蓄積された知見を仕組みとして社内の業務に落とし込み、組織の機動力を上げていく。また、社員一人一人が明確な目標を持ち、自分の仕事が会社経営にどうつながっているのかを理解し、組織として一枚岩となれるよう、会社の経営方針・方向性を従業員全員にしっかりと伝えていく」(藤井社長)

 事業としての軸はキマルーム Signだ。24年7月にサービスを刷新した。不動産会社の使いやすさを徹底したナビゲーション機能を搭載。申し込みも各社でカスタマイズできるような設定にした。

キマルーム ナビゲーションシステムの画像

初めてでも使いやすいナビゲーションシステムを搭載

 7月以降、大東建託グループの管理物件の申し込み・契約がキマルームのサービスに切り替わる。大東建託パートナーズと取引のある全国3万5000店舗の仲介会社での同社サービスの利用がスタートする。今後、同サービスをプラットフォームとして、管理戸数の多い全国の管理会社を中心とした利用が進めば、申し込み・契約領域の業務標準化や効率化に寄与できる。結果、同サービスに関わる業務に対応した同社のほかのサービスの拡大も図っていく。

 同社が重視しているのが、導入企業の「店舗スタッフのサービスの利用率」だ。実務を行う店舗スタッフにとって使いやすく、日々使いたいと思えるようなサービスでないとDX化は進まないとみる。

 「導入企業の各店舗でDXのキーマンとなる人物を見つけ、プロジェクトを組んで、店舗全体でのサービス利用率を高めるための取り組みを強化している。当社のサービスを活用してもらうこと、クライアント企業のDXを支援すること、その両方に寄与していきたい」(藤井社長)

(2024年7月29日号に掲載予定)

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