住宅・ホテルで4万室の実績
水回り設備の修繕を手がける理想化研(神奈川県相模原市)は、浴槽の交換なしで浴室を再生するリフォーム工法「ふろいち」をフランチャイズチェーン(FC)展開する。
全国で約120の工務店や個人事業主がFCに加盟し、累計施工件数は持ち家やホテルを中心に4万室以上だ。ハウスクリーニングと浴槽交換の間の選択肢として、賃貸住宅への訴求を進める。
「磨き」「塗り」「貼り」の三つの作業を組み合わせて浴室を再生する。磨きの作業では、専用の薬剤を使用して、ハウスクリーニングでは落としきれない汚れや黄ばみを落とす。仕上げにフッ素コーティングを行い、汚れがつきにくく掃除がしやすい状態にする。塗りの作業では、専用のコーティング剤を浴槽や床に吹き付け新品同様に表面を再生する。さらに貼りの作業では、壁にパネルやフィルム、床にフロアシートを貼り付けてアクセントとし、物件価値を高めることも可能だ。
磨き・塗り・貼りの作業で再生した浴室
費用は磨きのみであれば2万〜5万円程度。塗り・貼りの作業まで行う場合でも30万円以内に収まるケースがほとんどだ。50万円以上かかる場合が多い浴槽交換に比べて、費用を抑えることができる。予算や浴室の状態を鑑みて、「磨きの作業のみ」「塗りの作業まで」といった発注をすることも可能だ。
小林誠司社長は「ハウスクリーニングでは物足りないが予算の問題で浴槽交換は難しい、といった場合の選択肢としてふろいちを提案していく」と話す。
これまでの豊富な施工実績を通じて小林社長は、居住満足度においては浴室が非常に重要な要素だと感じているという。
「ホテルの客室アンケートでは、浴室への要望は常に上位にくる項目だ。賃貸においても、他人が使った浴槽に実は抵抗感があるという入居者は多いのではないかと考えている。ふろいちで浴室を新品同様の状態にして、空室対策に役立ててほしい」(小林社長)
理想化研
神奈川県相模原市
小林誠司社長(62)
(2024年7月29日9面に掲載)