■概要
地元の総合建設業A社の破産事件により、A社所有ボウリング場、モーテル6棟、岩盤浴施設、大浴場休憩施設などの大型施設が休眠状態となり、融資金融機関も解決の糸口がみつからず、不良債権化しておりました。
全くの見通しが立たない中、金融機関の担当の方が、豊富な不良債権処理(事業系・法人系)実績を持つ私たちへご相談に来ました。
私たちが相談を受け、解決先を模索していた矢先、東日本大震災が発災、債務者の他の不動産は浸水により利用不能、さらに解決が困難な状況へと追い込まれてしまいました。
しかし、そのような状況でも解決策の可能性を見いだすのが私たちの仕事です。
債務者とのヒアリングの中、方法を探っていきました。
■問題点 買い手のつかない不動産をいかに利用するか
世の中には、活用されていなかったり、買い手もつかず放置されている不動産が多くあります。そのような〝負〟動産となってしまった資産の活用方法を見いだし、かかわるすべての人がWIN・WINになるような解決策を提案することが、私たちのコンサルティングです。
今回のケースで一番の課題だったのは、買い手がなかなかつかない不動産に対し、購入者の事業性を確保しながら、大口債務者の生活にも活路を見いだし、債権者である金融機関の役にも立つという複合的に絡み合った問題をどう解決するかということでした。
私たちに求められていたのは、まず「被災地の役に立ちたい」という思いを持つ購入者を探すこと。そして、東日本大震災という未曽有の災害の中、不良債権処理と被災地の復旧という2つの問題に対し、購入者といかに最適解を見つけ、実現していくかということでした。