入居者の希望に沿った改修
大阪府を中心に賃貸業を行う神吉不動産は、所有する賃貸マンションで改修した住戸の完成見学会を3月に開催した。入居予定者の希望に沿ってフルリノベーションを行う「自分好み賃貸」によって、成約した住戸だ。
大阪府豊中市にある1970年建築の神吉マンションは、これまで23戸の空室を自分好み賃貸でリーシングし、入居率が86%に改善した物件だ。3階建ての全72戸で、かつて入居率が50%を切っていた。神吉優美社長が事業を引き継ぐ前は、フルリノべ後に募集をしても、入居者が決まらなかったため、不動産会社の提案で自分好み賃貸を始めた。同手法で改修した住戸は退去があっても、家賃を下げることなく、次の入居者がすぐに決まっているという。
同手法は入居予定者、オーナー、設計士、専属の大工らが集まり、入居予定者が間取りや内装の要望を出しながら改修プランを決めていく。設計が確定後、入居者から設計料10万円を受領。設計料は賃貸借契約時の礼金から差し引く。施工期間として3カ月を確保する。
今回、改修した住戸は約39㎡の3Kを、ワンルームに変更した。料理好きな入居者の希望で、主にキッチンにこだわった改修プランとなった。大きなシンクがある幅が広いカウンターキッチンを新設。冷蔵庫と調理家電などを置くカップボードは入居者が所有している製品のサイズに合わせ、設置スペースを確保。使い勝手がいいように、カップボードの高さに合わせてコンセントを配置した。賃料は7万2000円。改修前の賃料は5万円台だった。
神吉社長は「自分好み賃貸は手間がかかるが、入居者が決まっている状況で大掛かりなリノベができる点にメリットがある。工事費を全額オーナー負担で入居者の希望に沿ってフルリノベする事例はほかにほとんどないので、差別化できていると思う」と話す。
完成見学会には、オーナーや不動産会社、設計士など約40人が参加。施工した住戸で、自分好み賃貸の手法や改修内容を説明した。
神吉不動産
神吉優美社長
(2026年4月20日4面に掲載)





