築古物件の価値向上に
賃貸管理や買い取り再販を行うデイグラン(大阪市)は、2016年より建物診断(インスペクション)事業「DGインスペクション」を展開する。建物診断から保険申請の支援まで行い、大規模修繕を可能にする手厚いサポートが好評を得ている。
同サービスは、賃貸住宅や分譲マンションについて、診断員による目視とドローンを使った建物調査を行い、調査報告書を作成するサービスだ。定期巡回のように決まった調査項目を点検するのではなく、共用部の破損事故のうち、笠木の破損やエレベーター扉の傷といった、普段見過ごしそうな箇所まで拾い上げる。
高所はサーモグラフィー搭載のドローンで確認。外壁タイルの浮きや屋上防水、太陽光パネルの異常など、目視では発見できない異常を検出する。
DGインスペクションは、保険申請のサポートまでがサービスの内容に含まれている点が特徴だ。建物調査で不備が見つかっても、資金が足りず修繕できないケースも少なくない。そこで、同サービスでは、オーナーが加入する保険の補償内容に沿って保険の申請をサポートする。
25年は、全国で500棟以上の建物調査を実施。これまでに延べ3000棟以上の調査実績を誇る。
同社が提供する調査報告資料
ターゲットとするのは、築10年以上の物件を抱えるオーナーや、収益性が下がり始めた物件を持つオーナーだ。同社の中村知孝取締役は「大規模修繕を検討するために、建物調査で物件の状態を把握したいと考えるオーナーや、物件の壊れている箇所を直して付加価値を上げたいと考えるオーナーからの依頼が増えている」と話す。
収益性が下がり、自費での修繕が難しいオーナーを抱える管理会社から依頼を受けることも多いという。「建物調査と保険の申請サポートを活用した費用負担の軽減策を提案することで、今まで『費用負担が大きい』という理由で提案が進まなかった修繕工事の実行が可能となる」(中村取締役)
同社は、1級建築士事務所として登録しており、調査を専門とする調査員を自社で育成している。約10人の調査員が、細かな現況把握調査を行うため、現況報告と精度の高い修繕提案をオーナーに提供することが可能だ。専門調査員による調査と保険申請のサポートがオーナーからの信頼性を高め、管理会社やリフォーム会社は改修工事受注の成果にもつなげることができる。
同社は今までに調査した物件に対し、3年後のフォローアップ調査を提案しており、最近ではフォローアップ調査の依頼も増えているという。「物件の状態を正しく把握することが重要。オーナーの所有する建物を健全に保つことに寄与したい」(中村取締役)
デイグラン
中村知孝取締役
(2026年4月20日8面に掲載)





