兵庫県宝塚市をメインに管理を行う地場不動産会社のイニシオ・ライフサービス(兵庫県宝塚市)は、オーナーの収益性向上を目的とした工事の手数料や、資産コンサルティングで売り上げを伸ばしている。2代目社長を務める大村大氏に、同社の取り組みについて詳細を聞いた。
売上高の6割が工事、提案強化
受託戸数は1500戸超 改修件数、年1100件
管理戸数約1500戸のイニシオ・ライフサービスは、オーナー向けの資産運用コンサルティングを強みとしている。収支を改善するための改修工事や不動産活用を積極的に提案する。
売上高(非開示)のうち、工事手数料が6割強を占める。そのほか、管理手数料が2割、スポットでオーナーから依頼を受けるコンサルティング料と売買仲介手数料を合計したものが2割弱となっている。
年間の工事請負件数は、小修繕や原状回復工事、リフォーム・リノベーション工事、大規模修繕工事、建て替え工事などを合計して1100件。そのうち管理物件における工事が7割ほどだ。
従業員13人のうち、工事の提案を行うのは工事部の4人と営業部の3人。大村社長は「期末は9月末だが、毎年1〜2月ごろには営業利益が黒字になるめどが立つ。そのため、期中の半年間以上は翌期に向けた準備期間に充てており、この期間で重点的に営業を行っている」と話す。
工事は管理物件以外の、オーナーからも依頼を受け、対応することもある。不動産業界内の会合で知り合ったオーナーや、グループ会社の田中住建(兵庫県伊丹市)が紹介してくれたオーナーから受注を獲得している。地場不動産会社であることから親近感を持ってもらったり、創業以来累計2万5000件に上る工事実績をアピールしたりして、受注に至る。
施工時には、工事部の担当者が現場監督として施工管理を行う。同社が元請けとなって、内装工事や設備工事は協力会社に分離発注している。提携社数は約50社。
工事を内製化することで、期初に1年分の工事を発注することが可能になるため、工事計画のスケジュールを協力会社と調整しやすく、工期を短くすることもできる。工期が短縮され、改修が早期に完了するため、オーナーは比較的早い段階で賃料を受け取れる。その点が訴求要素の一つとなっているという。