懸賞金付きで入居募集
不動産コンサルティングを行うカチモード(東京都新宿区)は、事故物件専門の調査を手がけ、事故による不動産価値の下落防止を目指す。
「2007年に賃貸管理会社に入社して以来、管理業務に携わってきた。その間変わっていないのが、『事故物件』というレッテルにより、長期間不動産価値が下落するということ。この問題を何とかできないかと起業に至った」と児玉和俊社長は話す。
同社が行う「オバケ調査」では、事故物件に午後10時~翌日午前6時まで社長自ら泊まり込み、異常の有無について調査を行う。依頼主はオーナーや不動産会社からがメインとなっている。
室内の録画・録音だけでなく、電磁波や大気圧、風力を測定するための本格的な機材や、サーモグラフィーなどを使用する。そのほか、事故当時の状況のヒアリングに加え、児玉社長が培ってきた管理業務の知識を基に、臭気の有無や特殊清掃、リフォームの仕上がり、居室内の設備の状態など、賃貸住宅としての品質もチェックしている。
調査報告書の一部
調査後はA4用紙で10枚前後の調査報告書を依頼者に提供。報告書は心理的瑕疵(かし)の告知事項の説明にも活用できる仕様となっており、異常がなかった物件には証明書を発行している。
これまでに50件超の相談があり、34件のオバケ調査を実施した。
調査後、異常が起きなかった物件については、同社とコンサルティング契約を締結したうえで「懸賞金付き物件」として相場通りの賃料で貸し出すことも可能だ。懸賞金は10万~100万円。入居者が、入居中に特殊現象にあった旨をカチモードに申告し、同社による再調査で異常が確認できた場合に懸賞金を受け取ることができる。金額は内容によって異なる。
懸賞金の受け取り後は、6カ月以内に退去する条件が付いており、退去後は、同社がオーナーから物件を借り上げる。借り上げ金額は建物の状態や周辺の賃料相場、これまでの賃貸実績から査定を行う。
調査機材と調査の様子
なおこれまでに異常を確認した物件は5件。そのうち2件を9月1日から同社が借り上げている。再現性があるかどうかの調査を行い、一過性だった場合は入居者の募集を開始する予定だ。再現性が認められた場合は、引き続き研究対象として同社が管理するという。
10月からは調査費用を改定する。通常の事故物件は1物件あたり8万8000円(税込み)。遠方の場合、別途交通費などが必要となる。
「過去に事故が起きていても、オーナーが修繕して住みやすくなっている物件も多い。少しでも、家賃の下落や空室で悩むオーナーや不動産会社の役に立つことができれば」(児玉社長)
(2024年9月30日2面に掲載)





