価格以外の条件交渉も重要
賃貸管理業界において、管理戸数拡大の手段としてM&A(企業の合併・買収)を取り入れる管理会社が増えています。当社の会員企業でも、M&Aを通じて管理戸数を増やそうと計画することが増加していますが、具体的に何から始めるべきかわからず、進められていないケースも多く見受けられます。
今回は、賃貸管理会社が知っておくべきM&Aの流れとポイントをお話しします。そもそも、なぜこれほど賃貸管理業界でM&Aが今注目されているのか。
①短期間で規模拡大可能
ここ数年M&Aが注目されるのは、賃貸管理業界特有の事情が大きく影響しています。
賃貸管理事業は利益率が高い反面、成長速度に課題がありますが、これをM&Aにより補い短期間で成長できるという点が挙げられます。
賃貸管理業界におけるM&Aは、「時間を買う」手段ともいえるでしょう。また、賃貸管理業の売り上げはほとんどがストック収入であるため、経営者が変わっても売り上げが急激に下がるリスクが低い点もこの業界ならではの特性です。
②新市場でのシェア獲得に有効
新エリアでのシェア拡大に賃貸管理業は特に時間がかかりますがM&Aで新しいエリアの管理シェアを獲得すれば、スピード感を持って競争力を向上させることが可能です。さらに、広告費や管理コストのスケールメリットも得られ、経営資源を効率化できる点も大きな魅力です。
③既存オーナーとの信頼関係を引き継げる