グループで投資用不動産の開発を行うCOLORS(カラーズ)ホールディングス(東京都千代田区)は、2024年からM&A(合併・買収)に力を入れ、2年で3社を取得した。これにより、26年9月期にはグループ全体で売上高100億円を見込む。「潰れない会社を創る」ことを目指し、事業の多角化による経営安定化を狙う。
M&A推進、2年で3社を取得
ストック収益重視
COLORSホールディングスは、グループ内事業を補完する事業を展開する会社をM&A。収益の安定化を図り、グループ全体での成長を目指す。
M&A以前に同グループは、持ち株会社のCOLORSホールディングスとCOLORS(同)、COLORSリアルエステ―ト(同)の3社から成っていた。COLORSではグループの中核事業である投資用マンションの企画・開発・販売・賃貸管理を担当。COLORSリアルエステ―トは中古投資用マンションの売買・売買仲介と賃貸仲介を担う。
既存の事業会社2社に加え、24年1月には国内外の「人財」紹介・採用支援会社のHorizontal Line(ホリゾンタルライン:同)をM&A。25年9月には投資用アパートの企画・開発・販売を行うエイトノット(東京都江東区)、25年11月には賃貸管理会社のスピークアウト(さいたま市)を取得した。
COLORSホールディングスの25年9月期の売上高は82億円。売り上げ構成比は81%がCOLORS、18.3%がCOLORSリアルエステート、0.7%がHorizontal Lineだ。
22年9月期比で売上高は164%に成長しており、収益を原資にM&Aに投資をしている。自社で一から事業を育てるより、すでに事業経営している会社を取得するほうが早い成長が見込めるからだ。

特にCOLORSホールディングスが重視するのはストックビジネスの拡大だ。これまでCOLORSでは投資用マンションを開発、もしくは仕入れた物件を販売することで、管理を自社で受託してきた。しかし、オーナーチェンジの際に管理の解約が発生してしまうことが課題だった。そこで賃貸管理会社のスピークアウトを取得。これまでできていなかったオーナー訪問などを強化することで、管理離れを防ぐ。グループの管理戸数は従来の約700戸に、スピークアウトが管理をする約350戸が加わることで、1000戸を突破した。
COLORSホールディングスの青木誠社長は「自社の経営ビジョンは『COLORS‐GROUP(グループ)に関わるすべての人を幸せにし、すべての人に愛される会社を創る』。そのため、継続経営可能な潰れない会社をつくることを目指し、ストックビジネスの拡充に力を入れていきたい」と話す。
アパートにも着手
開発をアパートにまで広げることや、採用の強化を進めることも、事業の安定化につながるとする。
開発期間がマンションより短い木造アパートの開発に着手するため、エイトノットを取得した。グループの与信力や金融機関とのネットワーク、幅広い取引先基盤を活用することで、エイトノットの開発件数を強化。年間10棟の開発を目指し、管理戸数を確実に積み上げていく。
COLORSホールディングスの中核事業である投資用マンションは区分販売しているため、1棟あたりのオーナー数が多い。一方アパートの場合は1棟につきオーナーが1人で、長期保有が多いため管理解約もマンションより少ない。利益率はマンションより劣るが、ストックとしての二次利益が魅力的だとする。
東京都内における木造アパートの表面利回りの相場は4〜5%だが、同社はマンション事業で培った土地を安価に仕入れるノウハウにより、表面利回り6%超を目指すという。
Horizontal Lineを取得したのは、グループでの採用力の強化が狙いだ。同グループでは毎年新卒・中途社員を採用するが、COLORSの総務部が兼任でグループ全体の人事を担当していた。そこで、応募の案内やオファーメールのやりとり、面接の日程調整など、面接までの業務をHorizontal Line に集約。COLORSは面接に集中することで、安定的に優秀な人財獲得が狙えるとする。
仕入れに強み
中核事業であるマンション開発事業は、仕入れ方法に工夫を凝らすことで、堅実な仕入れを実現している。
その結果、年間300〜400戸を開発。約8割を卸事業者へ販売しつつ、残りを投資家に区分で販売している。
同社はこれまで、変形地や高低差のある土地、立ち退き案件など、開発難易度が高いが安価な土地を仕入れることで、開発事業を伸ばしてきた。
COLORSが開発した賃貸マンションの外観
これに加え、仕入れた土地の隣地も買い足し、土地をまとめることで、さらなる仕入れの安定化に取り組んでいる。
同社では土地を購入後、境界線の確認を行う際に、土地の所有者に売却を提案している。多くの事業者は仕入れの際に、ある程度の規模の開発しやすい成形地を求めることが多い。同社の場合は隣地も含めて購入し、まとめることで開発用地の拡大に取り組んでいるため、土地のサイズや形にこだわらない。小規模な土地や再建築不可物件、旗竿地など通常であれば、安価に買いたたかれる土地であっても、適正な価格を提示することができる。その結果、スムーズな買い取りができているという。
「他社より2倍近い価格を出せていると思う。金融機関からの理解も得られているので、仕入れ案件に融資を受けることができている点も自社の強み」
25年9月期には8棟分の土地の仕入れに成功した。
「今後は賃貸にまつわる事業、例えば清掃などに裾野を広げていきたい。29年9月期には売上高200億円、経常利益20億円が目標」と青木社長は意気込んだ。
(野中)
(2026年1月19日20面に掲載)




