1月で創業50年を迎える山一地所(宮城県仙台市)は、管理戸数が1万4000戸を突破し、地場で存在感を高めてきた。2代目トップとして次の50年を見据える渡部洋平社長に経営戦略を聞く。
組織力を再強化 100億円企業へ
既存事業を深堀り ストック収入重視
山一地所は、人口減少が進む商圏の中で地場の老舗企業として雇用を生み出し、自社の継続的な発展だけではなく、地域をよりよい形で次世代につないでいくことに存在意義を見いだす。
事業で重視するのは、管理を中心としたストック収入だ。安定的な成長戦略を貫き、2030年には売り上げ100億円を目指す。渡部社長は「掲げた目標は、グループではなく当社単体の売り上げ。ひたすらに既存事業を深掘りすることに集中していく」と語る。
24年6月期の売り上げは75億円と前年同期比で12%減。売り上げに占める事業構成比は、管理や賃貸収入などのストック収入が36%、建築・リフォームが33%、修繕・原状回復工事関連が12%、売買仲介・不動産販売が11%、賃貸仲介関連が7%、残りがその他となる。
建築や販売といったフロー収入の変動により、全体の売り上げは前期から減少の着地となったが、主力のストック収入事業の売り上げは上昇傾向で推移する(図参照)。