大阪府枚方市を中心に2785戸を管理するトラスティーサービス(大阪府枚方市)は、年間を通してエリアの平均を超える95%前後の入居率を維持し続けている。入居率を高めるために行っている仲介との連携や分業体制づくりと今後の方針について、稲井理社長を取材した。
エリア平均大きく上回る
顧客の声を共有 空室対策に生かす
トラスティーサービスは、経営指標の中でも入居率を重視する。オーナーの第一の要望である高稼働率を実現することで信頼を獲得。商圏内で着実に管理戸数を伸ばしてきた。
営業エリアは大阪府枚方市・寝屋川市・交野市。2024年7月期の売上高は約3億8000万円だった。事業別では、原状回復工事や大規模修繕を含む営繕収入が約37%、管理手数料が約28%、広告料収入が28%、その他の収入が7%ほどとなっている。24年の管理戸数は2785戸で、年によって差はあるものの、毎年受託戸数を積み上げている。
入居率は年間を通して95%前後だ。稲井社長や社員の肌感覚で80%前後という営業エリアの平均よりも高い水準を維持する。
高入居率を支える要因の一つは、仲介を行うグループ会社・トラスティーホーム(同)との連携だ。
トラスティーサービスの管理物件のほぼ100%を、トラスティーホームが仲介している。トラスティーホームは枚方市・寝屋川市・交野市に4店舗を構え、年間2000件ほどの賃貸仲介を行う。2社はともに稲井社長が代表を務めており、トラスティーホームの店舗はトラスティーサービスの管理の拠点にもなっている。
1999年のトラスティーサービス設立以来、仲介と管理の連携を重視してきた。月に200人以上を接客する仲介担当者は、管理物件を案内して成約に至らなかった際、必ず管理担当者に不成約理由をフィードバックする。管理担当者は競合物件の設備や条件を把握し、オーナーと相談しながら入居のための計画を立て、実行していく。