オフィスの開発・再生、仲介、管理を行うLEVECHY(レベチー:東京都港区)は不動産クラウドファンディング事業「LEVECHY」を2023年より展開している。投資家の資産を分別管理していることが特徴だ。
信託口座で運用資産管理
会員数約2万人 提供開始まで4年
LEVECHYは、25年2月19日時点で不動産ファンドを17号まで展開している。投資家は1口1万円から投資することができ、集まった資金はファンド物件の購入資金として活用される。出資した投資家はインカムゲインかキャピタルゲイン、または両方からの配当を得ることが可能。対象物件は全国のマンションやオフィスビル、ホテルなどとなる。同年1月17日時点で投資家の会員数は約2万人だ。
同社はクラウドファンディング事業を開始するまでに約4年にわたる準備期間を設けた。高将司社長は「事業開始に時間を要した理由は、当サービスの特徴でもある、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づく第3号・第4号事業を取得してファンドの運営を行っているためだ」と話す。
第3号・第4号取得 国内で運用わずか
第3号・第4号事業とは、不特法と金融商品取引法に基づいて、SPCを設立してクラウドファンディングを行う事業だ。第3号事業者はファンドを運用し、第4号事業者は投資家から資金を集め、出資契約締結の代理・媒介を行う。
同社のファンドの特徴は、不特法における第3号事業者と第4号事業者、電子取引業務の認可を取得してファンドの開発・運用を行っていることだ。同様の企業は全国でも非常に少ないという。「当社の調べでは、第3号・第4号事業者でSPCを設立することをメインにクラウドファンディングを行っている会社は、全国で当社を含め2社しかない」(高社長)
LEVECHYはSPCから業務委託された形でファンドを運用する。万が一同社が倒産した場合、同社の債権者はファンドを差し押さえることができなくなり、投資家の資金を守ることが可能となる。これを「倒産隔離スキーム」と呼ぶ。
第3号・第4号事業者の取得数が少ない理由は、それぞれ認可を得るまで、1年から1年半ほどかかるためだという。「それに加えて、当社は電子取引業務の認可に1年半の歳月を要した。時間をかけてでも第3号・第4号事業者を取得したかったのは、倒産隔離スキームで投資家へクラウドファンディングへの安心感・信頼性を示したかったためだ」(高社長)
レバレッジを活用 信託保全で信頼感
LEVECHYは信託保全が全ファンドで必須となることも特徴だ。分配金・償還金を運営会社の口座でなく、信託銀行にあるSPCの口座で管理する。これによりファンド物件に加えて、投資家の資産も守ることができる。
投資家からの出資金に加え、SPCが主体となってローンの借り入れを行う。このレバレッジ効果により、利回りを6〜12%まで高めることができるという。このように第3号・第4号事業者として事業を展開することで、ファンド運用の透明化を図り、配当利回りを上げていく仕組みとなっている。
売り上げ100億円 1000億円増を目標に
同社は13期目となる24年12月に売り上げ100億円を達成した。預かり総資産は25年1月17日時点で約72億円。今後は28年までに運用資産残高を1000億円まで増やしていくことを目標に掲げる。そのためにも、現物不動産の流動化を促すためのプラットフォームとして、同サービスをさらに機能させていくという。
「例えば、企業が保有する自社ビルやホテルなどをファンドにして資金調達を行うというようなビジネススキームも、クラウドファンディングならできるだろう。LEVECHYはクラウドファンディングのさまざまな活用方法を、投資家や不動産オーナーに訴求していきたい」(高社長)
(2025年3月17日6面に掲載)




