不動産会社の負担なし
身寄りがない入居者が居室内で死亡してしまうと、オーナーや不動産会社は、賃貸借契約の解除と残置物の処理、特殊清掃といった課題に直面する。こうした不測の事態への備えとして、死後事務委任契約が有効だ。
特殊清掃団体の一般社団法人全日本花輪式完全消臭連盟(以下、全花連:青森市)は、2025年9月より死後事務委任契約スキーム「全花連安心サービス」を提供している。
このスキームは、賃貸借契約書の特記事項に入居者と全花連が死後事務委任契約を結ぶ条項を入れる。これにより、入居者が居室内で死亡した際、全花連が賃貸借契約の解除と残置物の撤去を行う。特殊清掃が発生する場合は全花連に加盟する特殊清掃会社が対応。諸経費は入居者が加入する家財保険より補填(ほてん)する。
そのため、保険の範囲内であれば賃貸借契約の解除と残置物の撤去においてオーナーや不動産会社、入居者には金銭的な負担がかからない。
全花連の花輪隆俊代表理事は「スキームを考案したのは、当連盟の顧問・相談役である橋場不動産という不動産会社だ。『不動産会社なら孤独死が発生したときにこうしたい』という思いから発起した」と話す。
残置物の撤去や特殊清掃時の見積もりは、全花連に加盟する特殊清掃会社から全花連へ集約され、適正金額であるかどうか確認。その後少額短期保険会社などへ請求される。
全花連は「完全消臭」をうたう特殊清掃を実施。特許を取得した消臭剤を用いて、壁や床に染み付いた、臭いのもととなるタンパク質を分解・除去する。加盟する特殊清掃会社は31社で全国対応だ。同スキームは残置物の撤去から特集清掃まで全花連内で円滑に行う。
「東京の24年夏の暑さだと、死後3日程度で遺体の身元が判別不能になり、臭いが染み付いてしまう。徹底した特殊清掃により、臭いの原因を除去することでリフォーム費用を抑えることができる当連盟の技術を広めていきたい」(花輪代表理事)
全日本花輪式完全消臭連盟
青森市
花輪隆俊代表理事
(2026年1月26日4面に掲載)





