地域で異なる自然災害のリスク

【連載】アメリカ不動産事情 第61回  2019年賃貸物件の保険事情

投資|2019年07月01日

雹やハリケーンはシーズン終了後に補償申請を

 今年は年明けから米国内の視察が続いたが、出張を終えてロサンゼルスに戻る度に、温暖な気候に恵まれた当地の良さを感じる。一方で建物火災や賠償金を補償するオーナー保険の重要性を感じるが、近年の自然災害の巨大化による補償内容の事前確認も留意点だ。

ローン会社が加入条件提示

 地中海性気候に恵まれたロサンゼルス地域では竜巻被害などが発生する中西部地域と比べ自然災害によるリスクは低いといわれるが、一方で地震被害のリスクは高い。全米地質調査所によると30年以内にM6.7以上の地震が発生する確率は99.7%とのことだ。中でも木造賃貸アパートでは耐震への備えは不可欠となりつつある一般的な戸建て住宅(3寝室・2浴室タイプ)の建て替え費用が50万ドルとするとオーナー保険料は年間900ドル程度で、地震保険料はほぼ同額の800ドル近くになる。このため、多くのオーナーは地震保険に加入していないのが実情だ。ちなみに同程度の住宅の場合の洪水保険料は年間500ドル程度といわれる。

 自然災害でのリスクでは他に地滑りや山火事などがあるが、こうした災害が発生する可能性が高い地域の場合にはローン会社から特別保険への加入条件が提示される。通常の保険会社で加入を拒否された場合にはSURPLUS(サープラス)と呼ばれる特別保険会社枠に加入できるが、保険料が高く補償条件の制限が伴うことも多い。中西部テキサス州ではハリケーンや雹(ひょう)被害が毎年発生するため、こうした災害に対する保険条件が含まれていることが多い。一方で雹被害に見舞われた場合には、急がずシーズンの終了まで待って被害の補償申請をすることが重要だ。同程度の被害に再度見舞われた場合には屋根の全面取り換えが一般的で、保険料も上昇する。

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