賃貸仲介事業を主軸に成長を続ける企業がある。小金井不動産(栃木県宇都宮市)は、宇都宮市を中心に17の店舗網を広げ、年間の成約件数は7000件を突破した。3代目となる小池敏雅社長は人材育成に注力。周辺事業である売買仲介や賃貸管理の事業拡大を見据える。
宇都宮中心、17店舗 出店ごとに500件増
―年間の賃貸仲介件数は7000件を超え、弊紙の「賃貸仲介件数ランキング2025」では、初登場で栃木県1位にランクインしました。
目指すのは、2028年までに賃貸仲介件数1万件です。店舗数拡大に応じて、年間500件増で推移してきました。3月末時点の賃貸仲介店舗数は宇都宮市を中心に17拠点です。27年には1万件を目指せる店舗網を完成させる計画です。
―主力事業は、賃貸仲介になりますか。
はい。賃貸仲介はブランドごとに分社化しています。24年の売り上げの60%を賃貸仲介が占めます。次いで、売買仲介が26%、賃貸管理が9%、リフォームが5%と続きます。24年度の賃貸仲介件数は7270件、管理戸数は3494戸です。従業員数は120人。このうち、不動産事業の賃貸営業は70人を配置しています。不動産事業以外に別会社で介護事業も展開しています。
―四つの会社に分けて賃貸仲介事業を展開しているのは珍しいですね。
物件情報誌で部屋探しを行っていた時代の、寡占化戦略の名残りです。各社の社長はすべて私で、エリア別でブランドを分けるために分社化しています。栃木県内は「小金井不動産」「あるある不動産」「宇都宮不動産」の三つ。県外は「コガネイハウジング(旧宇都宮賃貸マックス)」の計4ブランドで展開しています。
―寡占化戦略とは、どういう狙いがあったのでしょうか。
物件情報誌での部屋探しは、市区などのエリア別、かつ出稿元の会社ごとに情報がまとめられていました。03年以降、当社は栃木県内で掲載数1位を獲得していました。一方で、情報誌のページをめくるたびに同じ社名が続くことで、顧客から飽きられてしまうという懸念がありました。そこで、エリア別にブランドを持ち、同じ会社だと思われずに反響を獲得する狙いがありました。
―祖業は賃貸仲介でしょうか。