イベントに180人参加
サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)の普及や行政への提言活動を行う一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会(以下、サ住協:東京都千代田区)は、第9回地域包括ケアのまちづくりセミナーを6月に開催。神奈川県藤沢市のスマートタウン「Fujisawa(フジサワ)サスティナブル・スマートタウン(以下、藤沢SST)」や、多世代交流を推進するサ高住「ココファン藤沢SST」の事例などを紹介した。
セミナーにはオンライン参加を含め、不動産会社や金融機関を中心に、計180人が参加。同セミナーには、学研ホールディングス(東京都品川区)のグループ会社で、高齢者福祉事業を手がける学研ココファン(同)が協賛した。
サ住協の小早川仁会長は冒頭のあいさつで「建築費の高騰や集合住宅に対する介護保険サービスの報酬改定により、事業者を取り巻く環境は悪化している。良質な高齢者住宅の供給が求められている中、地方創生を通じて議論していきたい」と話した。
パナソニック オペレーショナルエクセレンス(大阪府門真市)のまちづくり・大阪IR担当の宮原智彦シニアエキスパートが講演。パナソニックグループが推進した藤沢SSTの取り組みについて紹介した。
藤沢SSTは、約19ヘクタールのパナソニック藤沢工場跡地を活用し、産官学民が連携して開発したスマートタウンだ。2014年に入居が始まり、段階的な施設の開業を経て、24年に全街区が完成した。戸建てのスマートハウスに加え、シニアレジデンス、商業・物流・健康・福祉・教育・スポーツ施設を複合開発。居住者は24年12月末時点で2719人に上るという。
藤沢SSTは24年に10周年を迎えた。開発して売って終わりにするのではなく、100年後を見据えて街を成長させる仕組みを構築してきた。パナソニックなど9社が出資してタウンマネジメント会社を設立し、ハード・ソフトの両面を運営してきたという。宮原氏は「誰が主体的に街づくりを運営していくかを最初に決めたのがポイントだった。多額の資金を必要としたが、街の価値を高めて得た不動産売却益で再投資したり、補助事業を受けられるようにしたりと、時間をかけて仕組んできた」と振り返った。
次に、学研ココファンの木村祐介常務取締役が登壇。藤沢SST内で学研グループが運営するサ高住ココファン藤沢SSTの取り組みについて報告した。
同施設は、介護・医療・教育・子育て支援を一体化した複合型拠点。クリニックや薬局、訪問看護のほか、保育所や学習塾なども併設し、多世代交流や地域との連携を重視している。木村常務は「地方創生は、少子高齢化に対応したまちづくりから始まる。街の持続可能性を追求するうえでは、高齢者福祉機能だけでなく、子育て支援機能の充実も不可欠。ココファン藤沢SSTは、教育事業での集客と福祉人材の雇用を創出した」と話した。
基調講演では、内閣府地方創生推進事務局の石坂聡局長が登壇し、地方創生推進の最新動向をテーマに講演。国土交通省住宅局安心居住推進課の津曲共和課長(当時)の講演では、高齢者住宅施策とサ高住の位置付けについて説明した。
(2025年8月11日17面に掲載)




