運営実績PRし受託の契機に
繁忙期が過ぎ、多くの賃貸管理会社が決算期を迎え、次なる成長戦略を描く時期となりました。
私も多くの経営計画の作成に携わりますが、近年の賃貸管理会社の経営計画に、新たな潮流として「自社物件保有」が注目されています。
これまで「自社物件保有(所有)」は、収益への貢献度が非常に大きいにもかかわらず、どこかタブー視され、その実態があまり語られてきませんでした。「管理戸数は?」とは聞けても、「自社物件数は?」とは聞きづらい雰囲気があると感じます。
なぜ今、自社物件の保有が重要なのか
最大の理由は、経営基盤の安定と収益性の確保です。管理業の収益性は決して高くない一方、自社保有物件の利益率は格段に高いといえます。単純な収益性で比較すると、約5倍もの差があるといわれており、これは自社物件100戸と管理物件500戸の収益性がほとんど変わらないことを意味します。
事実、成長している管理会社の多くは、この「自社物件保有」によって確保した安定的な利益を、人材採用やDX(デジタルトランスフォーメーション)投資、あるいは新規事業への投資原資として活用し、さらに強固な経営基盤を築いています。
これまでの賃貸管理会社におけるオーナーとの関係構築は、「一般オーナー」から「専任オーナー」そして「管理オーナー」へと深化させることが王道でした。しかし、ここに来て「自社保有」という、さらに上位の概念が生まれたといえるでしょう。
経営を安定させる「保有率」の目安
経営を安定させるための理想的な保有率として、まずは管理戸数に対し5%を保有できると経営が安定しやすくなります。さらに10%を超えると安定度はかなり高まり、積極的な次の一手を打ちやすくなります。
もちろん、保有比率が高すぎると管理事業の成長にブレーキがかかるためバランスは重要ですが、このKPI(重要業績評価指標)を意識することは戦略上、非常に有効です。
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