インターデザイン、外観・共有部リノベで収益向上

インターデザイン

商品|2026年02月27日

インターデザイン 小寺 源太郎 社長

 リノベーションを手がけるインターデザイン(大阪市)は、築古物件の外観やエントランス部分を改修することで集客力を強化。物件の事業性を向上させた実績を基に、個人投資家を中心に依頼数を伸ばす。

賃貸住宅の実績、全国で650棟

エントランス改装 建物の印象変える

 インターデザインは、賃貸マンションの外観と共用部のリノベデザインを提供する「外リノ」を展開する。

 小寺源太郎社長は「例えばエントランスをごそっと変えると、建物を建て替えたかのように印象が変わります。そのため収益向上を考えた場合は、エントランスにコストを集中させるリノベは非常に効率がいいと考えています」と話す。

 同社の売上高の事業構成比は、分譲マンションのデザイン監修が50%、外リノのデザイン料が40%、店舗設計などを含むその他が10%となっている。デザイン提供の対象範囲は日本全国で、北海道から沖縄まで実績がある。

 主力事業である外リノは、2010年にサービス提供を開始。15年間で750件を手がけてきた。外リノでは大きく分けて3種類のサービスを提供する。

 一つ目が、既存の賃貸住宅を対象とした、外観・エントランスなどの共用部のリノべデザインだ。外リノの年間受注件数の6〜7割を占める。26年1月末時点の累計実施数は650棟だ。

 二つ目が、空き家となった企業の保養所や古家を対象に、民泊やホテルとしての利活用を想定した建物全体のデザインだ。26年1月末時点で40棟の実績がある。

 三つ目は、新築の賃貸住宅を対象とした、建築中の物件の外観をリデザインする案件で、近年依頼が増えている。こちらは26年1月末時点で60棟を手がけた。

 「賃貸住宅のリノベでも、古家の再生でも、その物件の持つ背景や立地を踏まえ、良さを生かすコンセプトリノベを意識します。例えば築30年の物件は、新築と比較するとスペックではかなわないので、別の土俵で戦うことを目指します」

築30年・駅遠物件 デザインで人呼ぶ

 提供開始から15年たった外リノは、インターデザインの主力事業に成長した。特に、既存の賃貸住宅の外観・共用部のリノベデザイン提供に力を入れる。

 これまで提供してきた物件はRC造が7割、木造が3割。築年数は25〜60年で、ボリュームゾーンはおおよそ築30年となっている。物件規模は4〜100戸と幅広いが、15戸規模の物件が最も多い。エントランスのみのデザイン提供が6割を占めている。

 「依頼を受ける物件は、駅が近くにないなど、交通の便がよくない物件が多い印象があります。施工費用の目安としては、施主が依頼する施工会社にもよりますが、エントランスのみの場合は200万〜350万円程度が多いです」

 遠方から人を呼ぶデザインを企画する必要があるため、建物と立地、周囲の環境、既存入居者の属性などの調査に力を入れているという。デザインは固定せず、依頼ごとに新たに作り上げていく。

町並みに着目 入居率98%超

 インターデザインが外リノを手がけた物件が栃木県にある。JR両毛線栃木駅から徒歩7分の場所立つ同物件は、元社員寮で、全戸空家状態で現オーナーが引き継いだ。重量鉄骨造の住居66戸・テナント1区画からなっている。

社員寮

社員寮として使われていた、蔵や洋館をイメージした外観になった

 「物件のある地域に、蔵づくりの古い町並みや歴史的な洋館が数多く残っていることに着目しました。リノベテーマを『蔵と洋館』とし、外壁はチャコールグレーと白のツートンカラーに塗装。蔵を連想する外観にしました。エントランスの屋根部分には化粧モールなどの装飾を用いて、洋館風の印象を作り上げました。物件名も蔵をイメージさせる『KURADO(クラド)片柳』に変更しています」

 外リノとして、外壁・エントランス・共用廊下部分のデザインを提供。工事はそのほかに内装改修工事なども含めた大規模改修工事を実施した。

 全空室だった状態から、1年ほどの募集期間で66戸が満室となった。24年度の平均入居率は98.9%と、高い稼働水準を安定して維持している。

 駅から遠方に立つ既存の賃貸物件でも成果を上げる。

 熊本市にある鉄骨造2階建ての築25年の物件では、空室期間が長期化していた。リノベ施工前は6戸中3戸が空室だったが、工事期間中に満室となった。家賃3000円アップで決まった住戸もあったという。

 同物件はJR鹿児島本線上熊本駅から徒歩26分に立つ。

 物件が通りの突き当たりにあり、視線が集まる立地特性であることに着目。デザインテーマを、都会的なライフスタイルを想わせる「景観の道標」とした。

外観

緑と白の2色が用いられた外観、落ち着いた色と照明で印象を変えた

 外壁は、環境と調和するグレージュ、キャメル、チャコールの3色を用いて、親しみやすさと上質さを表現した。

 1階のエントランスの壁には、リアルな木目柄が印刷されたタイルを使用。階段室もタイルと近似色で塗装し、大きめの文字サイズで各階の階数を表現。入居者が日常的に通行する場所にデザイン性を加えた。

 さらに、夜間のライティングで建物のシルエットを効果的に引き立て、ランドマークとしての存在感と帰宅時の安心感を両立している。

 「オーナーからは『工事費の負担は大きいが、競合物件と比較して明らかに差別化ができたと感じる。他物件で外リノを利用したことがあり、リノベ後の空室期間の短縮や物件売却時に有利な金額で売却できること経験済みだったので実施した』という声をいただいています」

 同社は今後も外リノ事業に主眼を置き、デザインを提供していく。「増加する空室や空き家の有効活用のため、見学会や勉強会を通じて、築古物件に向けたデザインを日本中の家主へ伝えていきたいです」

(舘野)
(2026年2月23日20面に掲載)

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