4年で9社グループ化も
不動産業界でM&A(合併・買収)が相次ぐ。エム・ジェイホーム(滋賀県長浜市)は地方の不動産会社の取得を推進。クラスコ・ホールディングス(以下、クラスコHD:石川県金沢市)には初となる関西拠点の不動産会社がグループ入りした。帝国不動産(東京都中央区)は管理事業の取得も行い、管理・顧客基盤の拡大を行う。
地方企業の支援中心
エム・ジェイホーム
エム・ジェイホームは6月に、大阪の管理会社と東京の設計会社を取得した。約1300戸を管理するアントプレナーマネジメントグループは大阪市平野区を商圏とし、売り上げは1億8000万円。今回のM&Aにより管理戸数はグループで約7500戸に拡大した。2028年度中に管理2万戸を掲げるうち、1万戸の増加はM&Aで実現していく狙いだ。
M&Aの対象はケースバイケースではあるが、管理戸数1000戸以上の地域密着型企業を基準の一つとする。人口減少の局面にある地方都市といった大手資本が参入しにくいエリアに目を向ける。葛川睦社長は「滋賀県を商圏とするわれわれが得意なのが地方。同じような事業環境で人口が5万〜50万人ほどの地域のほうが強みを生かせる。特に当社で横展開する建築事業がローコストアパートなので、都市部の土地の単価が高いところでは合わないという部分もある」と語る。DX化の出遅れや後継者不在で「置き去り」にされがちな地方の管理会社に対し、グループのバックオフィス基盤を提供。入居者対応はグループのコールセンターで外注し、経理関連の事務も本社で対応する。これにより、各社がオーナー提案による新規受託や物件販売、工事受注といったコア業務に集中できる環境を整える。
取得したもう一つの会社、エフイーエー設計により建築事業も強化。不動産事業とのシナジーを生みだしていく。障がい者向けグループホームの開発といった社会的ニーズの高い物件や、重量鉄骨造・RC造の賃貸住宅の供給に助走をつける。販売においては、グループの管理会社が持つオーナー基盤とクロスセル(相乗販売)が可能となる点も大きいとみる。
「自社でのSNS運用、AI活用も含めたDXによる業務効率化、そして地域内シェアの確保をグループの会社に提供していく」(葛川社長)





