家賃10万円、表面利回り12%想定
設計事務所のスタジオアンビエンテ(東京都千代田区)と不動産事業を行うAnA(エーアンドエー:山梨県北杜市)は、八ヶ岳エリアで防災機能を持たせたタイニーハウス(小さな家)の企画開発を計画する。
1都3県の経営者などの富裕層や投資家を入居者ターゲットとし、災害時の一時避難場所となる貸し別荘として提案する計画だ。
2社は山梨県の八ヶ岳エリアを商圏に住宅の設計だけでなく、移住者や多拠点居住者向けの住宅や別荘の売買仲介を行っている。移住者向けに自社保有するタイニーハウス1戸を賃貸・運用している実績を持つ。
1LDKで家具・家電付きのタイニーハウスを家賃9万円で貸し出している。主に1都3県から移住を検討する層がターゲットだ。
物件探しをする際の仮住まいとして3カ月単位で提供している。現地でホテルに宿泊して住宅を探すよりも安価に済むとして、移住希望者から好評だという。
同社ではこのタイニーハウスのノウハウを生かし、新たに災害時に避難所として使える別荘の開発を計画する。
場所は、八ヶ岳エリア内でも標高1000mに位置する森の中の土地だ。雨や雪が少なく、クマやサルの出没事例もほとんどないという。活断層もなく、水害リスクが低いという特長もある。土地価格は坪1万〜3万円程度。避暑地として人気のある長野県軽井沢町と比較して安価に購入できる。
タイニーハウスの建築費用は1棟あたり500万〜1000万円。杭基礎の上に直接住宅を設置することで、固定資産税や不動産取得税が非課税となるなど、コスト面での優位性がある。
最大の特徴は、エネルギーを完全自給自足するオフグリッド環境を構築している点にある。
太陽光発電システム・蓄電池、コンポストトイレやポンプ付きの雨水タンクを備える。これにより、ライフラインが断絶した時でも約1週間生活を維持することができる。
衛星通信サービス「Starlink」も導入することで、有事の際でも避難しながらテレワークが可能だ。
併せて、事業者向けの投資モデルも用意する。約2000㎡の土地に6区画のタイニーハウスを配置するプランだ。総事業費は5000万〜6000万円を見込む。1戸あたり月額10万円で賃貸し運用した場合、年間家賃収入は600万円、表面利回りで12%を想定する。
2社の代表を務める窪田浩之社長は「建築費が高騰する中、通常の不動産投資は収支が合いにくくなっている。初期費用を抑えたタイニーハウスを用い、自然環境を生かした新たな賃貸モデルを広げていきたい」とコメントした。
(2026年10月5日14面に掲載)





