不動産領域での顧客サービス強化図る
通信大手のKDDI(東京都千代田区)は8日、不動産会社向けの業務支援ツールを提供するイタンジ(東京都港区)との資本・業務提携を発表、イタンジは同日、ファンド事業を手掛けるいちご(東京都千代田区)と業務提携した。
イタンジの増資に対してKDDIが新規発行株式を取得した。
金額は非公開。
KDDIはこれまでにもベンチャーへの出資を積極的に進めてきたが、不動産関連企業への資金提供は初めてだ。
バリュー事業本部新規ビジネス推進部の江幡智広部長は「通信会社は他社との差別化を図りにくい環境にある。イタンジとの提携により、住宅とも接点を持つ体制にしていく」と話す。
EC(イーコマース)、保険、電気・ガスなどのエネルギー事業に不動産を加えライフデザイン企業としての幅を広げていく。
今回の提携により、同社グループのKDDI総合研究所とイタンジが協力し合い、両者の持つビッグデータから、顧客の活動範囲や嗜好などを分析し、ユーザーの要望に応じた物件情報を提供することも視野に入れサービスを展開していく。
イタンジの伊藤嘉盛社長は「今後は、自社で不動産を保有するいちごと組み、ビッグデータから解析した情報を生かして住み手のニーズをくみ取った物件開発につなげる可能性もある」と話した。
KDDIの法人顧客数千社のうち不動産会社をイタンジに紹介するなど、両社の顧客数の拡大と情報収集を進め、今後のサービス展開をにらむ。