空室悪用した犯罪防止にも期待
賃貸住宅業界が注目する最先端の鍵管理システム、スマートロックを採用する動きが本格化している。
8月13日、約7万5000戸の賃貸住宅を管理する東急住宅リース(東京都新宿区)が、業界の先陣を切ってスマートロックの導入を発表した。
フォトシンス(東京都品川区)が開発・販売する後付型スマートロックロボット「Akerun(アケルン)」と、鍵の遠隔操作を行うためのリモートゲートウェイ端末「Akerun Reomoto(アケルンリモート)」を、今後、同社が管理受託する賃貸住宅を対象に設置を進めていく計画だ。
世田谷区内にある賃貸マンション「ドームズ芦花公園」ではすでに設置が完了し、8月4日から運用を開始している。
「メールやLINEを使って電子キーを送信し、玄関ドア内側に取り付けられたセキュリティ錠を操作します。内見時に、管理会社や提携仲介会社まで鍵を取りに行く手間が省けます。弊社はさらに、解錠操作の手間を省くため、遠隔操作できる仕組みも導入しました」
また、スマートロックを犯罪防止に役立てたいとする声もある。
首都圏で約6000戸の賃貸住宅を管理するアートアベニュー(東京都新宿区)の藤澤雅義社長は、「最近、空室を利用した犯罪が増えています。内見だと偽って入手した鍵ボックスの解錠番号を使って侵入し、そこで違法物の受け渡しを行うというものです。スマートロックであれば、使用期限を設けることで内見時以外の侵入を防ぐことができるので、犯罪防止にも役立つものだと考えています」と、空室を利用した犯罪の撲滅に期待を寄せる。