京都市は10月31日、ホテル・旅館の拡充と民泊に関する対応策をまとめた「京都市宿泊施設・誘致方針」を策定した。
今年7月から開始した『民泊通報・相談窓口』を今後も継続し、無許可民泊への指導を続けるほか、運営者が不明な物件に対してはドアなどに市からの調査協力を促す文書を貼り付ける。
その一方で、ホテルや旅館などの宿泊施設については、特例制度を設けるなどして拡充を図る。
宿泊施設は住宅専用地や工業地域で運営することができないが、雇用の促進や伝統産業の振興につながるなど、市が設ける「上質な宿泊施設を誘致するため」の要件を満たす場合には運営を認める方針だという。
京都市では近年訪日外国人客数が急増しており、2015年の宿泊客数は316万人と過去最高だった。
2020年には約440万~630万人にまで増加すると見込んでいる。
市が訪日客受け入れのために新設する宿泊施設を、同年までに1万室を目標としているものの、現在4000室しか予定がない。
京都市観光MICE推進室の山口薫課長は民泊への対応について「東京都大田区や大阪市のように特区民泊条例を制定する予定はない。周辺住民の安心と調和が図れた上で、法律に従って京都らしい良質な宿泊施設の誘致を行いたい」と話した。