修繕費用は家主の火災保険を活用
投資物件を販売・管理するリッチロード(東京都新宿区)は1日、保険に加入している管理物件約250棟に対し建物の屋根や外壁などの点検を無料で行うサービスを開始した。
点検はマンション情報の提供事業を手掛けるマーキュリー(同)が行う。点検後、修繕が必要な箇所が見つかった場合には、家主の加入している火災保険を活用して改修を行う。なお、区分マンションの場合は管理組合に対してのサービス提供が可能。
建物の点検時に見落とされがちな屋根や外壁などをプロの点検員の目視で確認し、修繕が必要と判断した場合は写真付きレポートと平面図、修繕費用の見積書を添えて報告する。
台風などを原因とした板金や漆喰の剥がれ、浮いた釘などを気づかずに放置すると、雨漏りや白アリの被害、部材の落下で傷害事件を引き起こすなど保険が適用されない2次被害が起こる可能性もある。被害が広がらないうちに、いかに早く補修箇所を見つけ対応するかが長期的な賃貸経営ビジネスの収益も左右することになると考え、サービス導入を決めた。
あまり知られていないが、火災保険は何度申請しても保険料が上がることはない。
1年前から試験的に導入し、実績は26件、トータルで約3000万円の保険金額の認定を達成したことから正式に事業化した。診断内容を報告した時点で9割以上が修繕を希望したという。
実際にサービスを受けた家主からは「大惨事が起こる前に対応ができてよかった」との声が上がった。
リッチロードの徳田里枝社長は、「家主の資産価値を上げることを第一に捉えているため、プロによる屋根や外壁の修繕は必要不可欠だと考えている」と話す。