2018年春先に明るみに出たスルガ銀行(静岡県沼津市)の不正融資問題。一棟アパートの適正な元本カットを求める新たな被害者団体が発足し、集団交渉・提訴に向けて準備を進めている。シェアハウスの代物弁済の実現で収束に向かっているかに見えた不正融資問題だが、シェアハウス以外の物件所有者の不満が噴出。一棟アパートにもしかるべき対応を望む声が一部で高まった。根本的解決までの道のりは長そうだ。
一棟アパート「適正な元本カット」求める
「不当な高値づかみ」に憤り
新しい被害者団体の正式名称は「スルガ銀行不正融資等個別被害者協議会」(以下、SKK)。2020年6月に発足し、スルガ銀行の不正融資に「巻き込まれた」とする一棟アパートオーナー約100人が入会している。多くが会社員で、スルガ銀行の不正融資による「不当な高値づかみ」を主張している。それによって生じる賃貸経営の破綻リスクを軽減するために、スルガ銀行に「適切な元本カット」「損害賠償」などの何かしらの処置を求めている。