AI活用の最前線、先進企業11社が登壇【賃貸AIテックDAY 開催レポート】
クラスコ・ホールディングス,トグルホールディングス,ビレッジハウス・マネジメント,帝国不動産,日本エイジェント,ユーミーClass,アンビションDXホールディングス,バレッグス,スマサポ,デロイト トーマツ,クラスココンサルファーム
管理・仲介業|2026年06月03日
全国賃貸住宅新聞社は5月26日、不動産会社のAI活用に特化したイベント「賃貸AIテックDAY」を都内で開催。会場と配信視聴合わせて260人が参加し、にぎわった。
会場・配信合わせ不動産会社ら260人が参加
未来図を予測
イベントのトップバッターは、経営者セッション「AIで賃貸ビジネスはどう変わる?経営者が語る戦略と業界の未来」。クラスコ・ホールディングス(以下、クラスコHD:石川県金沢市)の小村典弘社長、トグルホールディングス(以下、トグルHD:東京都港区)の伊藤嘉盛社長、ビレッジハウス・マネジメント(同)の岩元龍彦社長が登壇した。経営戦略におけるAIの位置付けや、具体的な活用事例、人が担う仕事は何かについての意見が交わされた。
経営者セッションでは未来予測についても話した
AIの普及により賃貸住宅業界がどう変わるかについては、三者三様の声が上がった。トグルHDの伊藤社長は「基本的にはインフレすると思う。これからは付加価値の高いAIにお金が流れていく。そうすると人が働かなくてもよくなり、AIの需要はどんどん増えていく。それで何が起こるかというと、インフラや都市部の土地といった限りがあるものがものすごく値上がりする。そこに住める人と住めない人の格差が生まれる」と推測した。
会場は熱気につつまれた
ビレッジハウス・マネジメントの岩元社長は「不動産管理は、効率よく少人数で多くの物件を運営できるようになる。築古の物件をあと何十年も運営する目線で、知識と労力をつぎ込んで建物をどう維持するかを考えられるようになるだろう」とコメントした。
クラスコHDの小村社長は「AIを使って未来をつくっていく。賃貸管理を基軸としてリノベーション、新築、物件保有などさまざまな事業をする総資産管理会社になるべき」と訴えた。
賃貸管理セッションのテーマは「顧客満足アップ、利益向上につなげる管理会社のAI戦術」。帝国不動産(東京都中央区)AIX推進室の田村有慶室長、日本エイジェント(愛媛県松山市)の樋口孝幸常務、ユーミーClass(神奈川県藤沢市)スマートテクノロジー推進室の菊池美穂課長が議論した。
AIロールプレーイングによる入居者対応や家主提案強化など、顧客満足度の向上につながる事例が上がった。従業員をどのように巻き込むかについては、推進部署が各部門にヒアリングしたAI活用のユースケースを基にマニュアルを作り、社内に共有していく施策が出た。
受け付けの様子。多くの人が来場した
営業に人材を投下
賃貸仲介セッションでは「反響対応、追客、賃貸仲介の生産性はAIで劇的に変わる」についてディスカッション。アンビションDXホールディングス(東京都渋谷区)DX推進室の中村勇介室長、バレッグス(東京都目黒区)の太田諒執行役員が意見を交わした。
賃貸仲介セッションではAIによる効率化の上、人の営業がポイントになると発言
社内審査書類の整合性チェックや契約書類の検印・突合など、生産性向上に直結するAI活用事例を発表。AIによる業務効率化で生まれた時間を営業に投下することで、利益を生み出す流れを作ることができるという意見が出た。
人材育成へのAI活用について話し合った賃貸管理セッション
経営者向け講演ではデロイト トーマツの清水歩ディレクター、寺園知広マネージングディレクターが「海外や国内の他業種動向から学ぶAI戦略」について講演。企業講演では、スマサポの小田慎三CEOと経営者セッションにも登場したクラスココンサルファームの小村社長が登壇した。会場の参加者からは「賃貸管理セッションで聞いた、AIロープレによる人材育成はとても参考になった」「賃貸仲介時の営業ルートをAIで最適化する活用方法は自社でも取り入れたい」などの声が上がった。セミナー終了後に開催した、ネットワーキングも盛況だった。
デロイト トーマツは海外や他業種の事例を紹介
(2026年6月8日9面に掲載予定)





