積水ハウス(大阪市)の不動産部門を担う積水ハウス不動産東京(東京都渋谷区)は、積水ハウスとオレンジ・アンド・パートナーズ(東京都港区)との共同ホテルブランド第1弾『YANAKA SOW(ヤナカ ソウ)』を1日にオープンした。
スタッフが歴史ある街並みをガイド
物件はJR山手線「日暮里」駅より徒歩5分、歴史ある町並みが今でも色濃く残り、『谷中銀座商店街』など人の温かみにあふれている土地に立つ、重量鉄骨造3階建て全13戸の宿泊施設。セカンドハウスとしての利用も取り込んでいく。
部屋は37㎡の定員4人用と47㎡の定員6人用の2種類。共用部には無料で利用できるキッチン、ランドリーなどを設置した。専有部は長期滞在を想定し、キッチンや大型冷蔵庫を完備。オフィス作業用のデスクやローテーブルも備えた。
フロントデスクは設けず、チェックイン時には谷中に精通する町案内スタッフが対応する。町情報を提供しつつ、気軽に会話ができる空間をつくることを意識した。
通常の宿泊に加え、長期滞在者もターゲットにした。3年前に企画し、当初は訪日外国人をターゲットとしたが、コロナ下の状況も踏まえ、日本人の国内旅行者や谷中への移住検討者、2拠点居住者などを対象顧客に組み込んだ。30日から365日まで宿泊可能の長期利用プランを用意した。
民泊型といっても旅館業法上、ホテルとして経営している。しかし料金に含まれる清掃費を宿泊日数にかかわらず固定料金にしている点は民泊からヒントを得た。
ホテル名の『SOW』には、「住むと泊まるの間である『荘』、町に寄り『添う』、地域の『層』を深掘りする」という意味を込めた。
積水ハウス不動産東京事業開発部の大和充典氏は「まずは『YANAKA SOW』の運用を成功させることが肝要。今後、同じような民泊型の宿泊施設を増やしていきたい」と語った。
積水ハウス不動産東京が所有主、積水ハウスが建築し、オレンジ・アンド・パートナーズはブランディングとPRをそれぞれ担当する。
同施設の予約システムはエアビーアンドビージャパン(東京都新宿区)が運営する予約サイト『Airbnb(エアビーアンドビー)』のみで行ない、運営はエアトリステイ(東京都港区)が行っている。
(5月17日3面に掲載)
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